2008 Fiscal Year Annual Research Report
易感染状態患者へ安全で満足な食を提供するために-補食の検討-
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20791664
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤井 宝恵 Hiroshima University, 大学院・保健学研究科, 助教 (50325164)
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Keywords | 感染 / 看護学 / 細菌 / 食事 |
Research Abstract |
【目的】易感染状態患者では、"生食"禁止などの食事制限が行われ, 患者のQOLに影響を及ぼし、『食の楽しみ』を図ることが患者のQOL向上に貢献すると考えられる。本研究は、患者の補食頻度の高い市販食品のより安全な提供を図るために、細菌学的検討を行った。【方法】対象の市販食品は、菓子(板チョコ、果物ゼリー、生プリン)、調理パン(クリーム、ピザ)、弁当・惣菜・麺類(むすび各種、焼そば、鶏唐揚げ)とした。検査は、食品衛生検査指針に従い、一般生菌数(以下、細菌数)、大腸菌群、黄色ブドウ球菌、カビ・酵母について検査した。加熱可能な食品では、電子レンジ(500W)加熱後の細菌数と中心部温度を調べた。加熱による味覚の変化について、7名の学生が試食(鮭むすび、昆布むすび、焼そば)による評価を行った。【結果・考察】菓子では生プリンの細菌数が10^2cfu/mlと他の菓子より多かったが、大腸菌群他の細菌は検出されなかった。生プリンは2社を比較したが、生クリームを含む方が細菌数は多かった。調理パンは10^1cfu/ml程度で、先行研究結果よりも少なく、加熱は不要であった。弁当類では、鮭むすび10^3cfu/ml、昆布むすび10^1〜10^4cfu/ml、焼そば10^1〜10^3cfu/ml、鶏唐揚げ10^2cfu/mlが細菌数の多い食品であったが、メーカーによる差がみられた。細菌数の多い食品では、大腸菌群やカビ・酵母が検出される傾向であり、製造過程での衛生状態や調理時の不十分な加熱等が推測された。上記4食品について、100g当りの電子レンジ加熱時間は、鮭むすび80秒、昆布むすび60秒、焼そば100秒、鶏唐揚げ60秒であり、加熱後の食品中心部温度は90度以上となり細菌数は10^1cfu/ml以下に減少した。ただし、鶏唐揚げの細菌数の減少は図れたものの、全体が縮まり、提供可能な状態ではなかった。加熱後食品の味覚の評価では、購入時の未加熱の物よりも加熱した物の方が美味しい、という評価であった。
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