2010 Fiscal Year Annual Research Report
看護サービスの受給者と提供者の両者の満足度を用いた質カイゼンモデルの作成
Project/Area Number |
20791674
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
井上 正隆 高知女子大学, 看護学部, 助教 (60405537)
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Keywords | 満足度 / 患者満足 / 職務満足 / 質 / カイゼン活動 / シミュレーション / リフレクション |
Research Abstract |
リフレクション法の検討 昨年度の研究結果を基にリフレクションを取り扱った研究や実践の現状分析を行った。基礎教育では、プロセスレコードを用いた再構成が以前から行われており、臨床では、目標管理面接で再構成が行われている現状にある。これらの取り組みの成果は、多数報告されているが、共通する課題として、「記入者の記憶に頼る」「リアルタイムではない」「無意識の行動が言語化しにくい」ことを抽出した。また、これらの課題を克服する方策として、状況を再現したシミュレーションの実施とディブリーフィングによって構成するoff-JTプログラムを検討した。 シミュレーションを用いたoff-JTの検討 国内外の現任教育でのシミュレーションの活用について文献レビューと現地調査を行った。この結果、BLSやACLSなどの患者急変に関するものと新人看護師を対象とした看護技術に関するものが多い状況にあった。また、看護や医療分野におけるシミュレーション法について目的と内容から分類すると以下の4種類に分類した。(1)パーシャルスキルトレーニング:単一手技の習得を目的とするもの。(2)複合スキルトレーニング:複数の手技をミックスし、システムとしてのケアを習得するためのもの。(3)状況再現トレーニング:受講生が、変化する状況に対応し、判断と行動化を迫られる過程を通し、より実践的な能力獲得をめざすもの。(4)試行的トレーニング:希少事例や発展的な課題の克服を目的とするもの。特に(3)状況再現トレーニングと(4)試行的トレーニングについては、リフレクションを促すための現任教育が持つ既述の課題を克服し、臨床場面を再現した効果的なリフレクションが行える可能性があり、継続的な質カイゼン活動の一部として機能すると期待できる。今後、「状況再現シミュレーションを用いたケアテザインの獲得を目的とした教育法の開発(課題番号23792614)」にて継続的な研究を行っていく。
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