2010 Fiscal Year Annual Research Report
医療を受ける幼児聴覚障害児の適応への支援に関する研究
Project/Area Number |
20791729
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
藤井 加那子 宮崎大学, 医学部, 助教 (30404403)
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Keywords | 聴覚障碍児 / 入院生活 / コミュニケーション |
Research Abstract |
耳鼻咽喉科に勤務する看護師への聞き取り調査にて以下の内容が明らかとなった。 看護師は子どもと関わる際に子どもにとっての視覚情報の重要性を意識しており、【子どもの視覚を意識する】ように子どもと接していた。ジェスチャーや絵、関わる前にコミュニケージョンをとる姿勢を整えるなど【障がいを意識したコミュニケーションをする】ことを意識して行っていた。また、子どもとの言語的コミュニケーションが難しい状況があるため【母親の協力を得て子どもに関わる】ようにしていた。同時に、子どもにケアを行う際には、聴覚による情報が得にくいため【子どもの反応を見ながら関わる】ことや【子どもが理解してその場に居るようにする】ことに注意を向けていた。言語的コミュニケーションが難しい分、子どもの気持ちや看護師に伝えたいことを子どもの観察を通して把握し、【子どもからの訴えを知ろうとする】ように関わっていた。警戒する子どもと一緒に遊ぶなど積極的に子どもと関わり【子どもが安心して居られるようにする】ようにしていた。看護実践を通して看護師は母親が自分と子どもの間を取り持ち、子どもの訴えを代わりに伝える場面を繰り返し体験することで、自分の看護実践は【母親に助けられている】感覚があると感じていた。また、看護師は子どもとの関わりでコミュニケーションの難しさを認識しており、《子どもの求めるニーズを把握できない》難しさを抱えていた。そのことが、《看護実践に自信をもてない》気持ちと合わさり【分からないままで関わる難しさ】を抱きながら看護を行っていた。 聴覚障がい児の母親と意見交換を行った。「看護師から『お母さん教えて下さい』と言って貰えて、すごく頼みやすくなった」や「何が起こるのか診察の流れ1つ1つを細かく写真を用いて説明すると分かりやすい」など子どもの障がいに合わせた関わり方の具体的方法についての意見を得ることが出来た。
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