2009 Fiscal Year Annual Research Report
地域問題解決のための協働の実践モデル構築に関する実証的研究
Project/Area Number |
20791755
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 和広 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 助教 (40396453)
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Keywords | 地域保健活動 / 協働 / 対等 |
Research Abstract |
平成21年度は、前年度に得られた成果(対象者と支援者が当事者となり、問題解決に向けた主体的な取り組みを行う方針)に基づき、本研究の趣旨に賛同した新任保健師と研究者らがともに当事者となり、問題解決に向けた実践活動(自主勉強会)を展開した。 自主勉強会は、当事者(対象者、支援者)が抱える課題を協働によって解決することを目標として、月1回程度開催することとした。活動開始後約3か月間は、当事者の意見交換を目的とした交流会を開催し、現状と課題を共有する準備期間とした。その後、外部の研究会活動への参加を契機に、自主勉強会の運営方針・活動内容の明確化をはかり、以後は定期的に母子保健、精神保健などに関する事例検討会、外部講師を招いた研修会を継続開催した。また、自主勉強会の開催に際し、企画担当者らによる事前打ち合わせと反省会を開催し、当事者を取り巻く現状・課題を共有する場面を意図的に設けた。加えて、地域保健活動について専門的知識を有するファシリテーターの協力を得ながら、支援者(研究者)の立場を明確化する(当事者として位置づける)ことで、対象者と支援者が対等な関係を保つように配慮した。その結果、当事者が主体的に意思決定を行い、活動内容の評価と実践活動へのフィードバックを行う場面が増加した。よって、当事者の問題解決能力の向上には、対象者と支援者が当事者となり協働していくという認識を持ち、当事者が主体的に外部の資源・専門家を積極的に活用していくことが有効であることが示唆された。
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