2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20810035
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
朴 祥美 Waseda University, 高等研究所, 助教 (50508447)
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Keywords | 地域研究(東アジア) / 日本史(近・現代史) |
Research Abstract |
I.研究目的: 本研究は昭和期日本が「文化国家」を目指した歴史的経緯を検討し、また、日本の文化政策の方法論を韓国が導入した背景まで視野に入れることによって、アジアにおける文化政治論を豊かにする。日本の文化政策史はトランスナショナルな文脈からの考察なしには語られず、日本は、文化政策のモデルとして、戦争期にはナチスに例を習い、占領期にはアメリカと文化的競争を行い、また自らの経験を韓国に教えた。本研究はいわゆる「独特な日本文化」というような、アプリオリによって規定されたイデオロギーに挑戦し、一瞬、一国にユニークな現象と見える「文化」というものが実は近代諸国との関係から「政策」としてプロモーションされ、多くの思想や形式を共有していることを論ずる。 II.研究方法 [1]学会発表:早大高等研究所や他研究科・大学院等にて発表を求めた他、東大情報学環の大学院ゼミや、日本文化政策学会、その他さまざまな研究会に積極的に参加した。また、アメリカの「歴史学会」「アジア学会」「歴史社会学会」や、韓国の「日本史学会」にも参加、研究成果を発表した。 [2]出版:英文および和文の学術雑誌に投稿し、研究協力者からコメントを取得するなどの小成果を重ねることによって、本研究の大きな論点をも改めて絞り重ねることができた。こうした活動は単行本出版という本研究の最大目標を達成するための過程と言える。 [3]海外調査:欧米・アジアにおける文化政策者、歴史学者などとのアイディア交換、連携活動を行ったが、アジア歴史研究における国際的スカラシップの更新はまさに学際性・国際性を特長とする本研究の意義でもある。 III.研究成果 本研究は学会及び学術雑誌に発表できることによって始めてその成果が証明できる。それを達成するため、上記のような具体的な計画と方法論に基づいた活動を実行してきた。具体的成果内容は、「雑誌論文」「学会発表」欄をご参照。
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