2009 Fiscal Year Annual Research Report
機能的形態統語論によるスラブ諸語類型研究:所有性の意味範疇をめぐって
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20820002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野町 素己 Hokkaido University, スラブ研究センター, 准教授 (50513256)
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Keywords | 外国語 / 統語論 / 機能文法 / スラヴ諸語 / 受動態 / 類型論 |
Research Abstract |
本年度は、昨年からの継続で、各スラヴ語の具体的な言語材料や言語研究を基にした記述・分析を行った。 具体的には、主にポメラニア諸語語(カシュブ語、スロヴィンツ語)の研究を行い、ドイツ語からの借用構文である受動者受動構文の通時的・共時的研究に集中的に取り組んだ。その成果はイギリス東欧・ロシア学会の年次集会およびロシアで行われたスラヴ語学学会で発表され、いずれも高く評価された。当該論文は「スラヴ研究」に採用決定し、2010年度に刊行される。また、ジョージ・シェベロフ記念論集にも、同内容の論文の掲載が決定している。 その他、本研究と類似するテーマを研究している世界的な研究者3名(Andriy Danylenkoペース大講師、Bernd Heineケルン大学教授,Paul Wexlerテルアビブ大学教授)を招聘し、合計6件の国際ワークショップび研究会を組織するなど、当該分野の研究の国際化に貢献した。尚、招へいした研究者のうち、Bernd Heine教授(ケルン大学)と「具格」と「随伴格」に関する論文を執筆し、言語類型論の有力誌に投稿中である。当該論文では、これまで扱われてこなかった所謂スラヴ・ミクロ文語や多くの方言データを用いた点、またいわゆる文法化理論研究への貢献となっている。 また2010年度のAAASS学会でのパネルセッション1件、さらに第17回南スラヴ・バルカン言語文化学会での報告が採釈され、本研究の総合的な成果が開示される予定である。
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Research Products
(5 results)