2008 Fiscal Year Annual Research Report
情報通信技術利用が社会生活に与える影響に関するマルチレベル分析による実証的研究
Project/Area Number |
20830021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北村 智 The University of Tokyo, 大学院・情報学環, 特任助教 (40511960)
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Keywords | インターネット / デジタルデバイド / 地域共同体 / 社会関係資本 / ICTs |
Research Abstract |
本研究では、情報通信技術の利用が社会生活に対して与える影響について、マルチレベル分の手法を用いることで、マクロレベルの情報通信技術の普及状況の要因を加味したミクロレベルの分析を行うことで、マクロ、ミクロの両側面を考慮した知見を提出することを試みた。平成20年度は階層的データを適切に取り扱える統計的な分析手法を検討した上で、平成21年度に行うデータ分析のためにデータセットの整理を行った。2005年3月に全国規模で実施された日本人の情報行動に関する調査データをデータ分析の対象とし、「統計でみる都道府県のすがた」などの公開されている官庁統計の指標を精査することで、都道府県レベルの指標の構成を行った。都道府県レベル(マクロレベル)の指標としては、各都道府県における人口、人口密度、インターネット普及率などを構成した。また、ミクロレベルの変数として、インターネット利用時間、電子メール利用量、インターネットからの情報取得行動などの行動に関する諸変数、インターネットからの情報に対する重要性認識、内的・外的政治的有効性感覚、政治的関心、私生活主義的価値観、一般的信頼などの心理に関する諸変数を構成した。本課題においては、居住する地域におけるインターネット普及率とインターネット利用行動の関係を検討した上で、情報通信技術利用の帰結として心理的側面にどのような影響がみられるかを考察するために、これらの変数を整理することは重要である。平成20年度は各変数の信頼性・妥当性を検討して、変数構成を行うことで、平成21年度に行う分析の準備態勢を整えた。
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