2008 Fiscal Year Annual Research Report
現代における民法と消費者法の関係についての考察-不当条項規制論を手がかりに-
Project/Area Number |
20830098
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
大澤 彩 Hosei University, 法学部, 准教授 (30510995)
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Keywords | 民事法学 / 民法 / 消費者法 / フランス法 |
Research Abstract |
本年度は本研究課題を遂行する上で重要な問題の1つであり、これまで研究代表者が行ってきた「不当条項規制の構造と展開-フランス法との比較から-」というテーマにつき、成果論文および補足論文の公表を行った。前者は、「不当条項規制の構造と展開(1)(2・未完)-フランス法との比較から-」法学協会雑誌126巻1号1頁以下、126巻2号356頁以下(2009年1月、2月)であり、近年最高裁判決が出されるなど契約法における重要な問題である不当条項規制について、主として日本法の現状およびこれまでの先行研究を分析し、フランス法との比較にあたっての課題を導いた。後者は、「違約金・損害賠償額の予定条項の規制法理(1・未完)-最近の中途解約に関する判例を契機として-」 法学志林106巻4号19-101頁(2009年2月)であり、最近、最高裁判例が頻出している違約金・損害賠償額の予定条項につき、裁判例分析を中心とした検討を行い、今後のフランス法との比較にあたっての序論を形成した。また、最近の違約金・損害賠償額の予定条項に関する最高裁判決である一連の「学納金返還訴訟」のうち、最判平成18年11月27日民集60巻9号3597頁につき、評釈を公表した(法学協会雑誌125巻9号2123頁)。以上のように、不当条項規制につき総論および各論の両面から検討したが、それによって我が国の不当条項規制における民法と特別法の役割につき有益な示唆が得られ、相違点を有するフランス法との比較を行う上で有益であった。
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