Research Abstract |
親の養育態度と教師の指導態度をそれぞれ「受容」「統制」「心理的自律性の尊重」からなる威厳ある養育・指導態度という視点からとらえ,それぞれが児童生徒,学生に与える影響と,児童生徒,学生が認知する親の威厳ある養育態度と教師の威厳ある指導態度の関連を検討する研究として20年度より2カ年計画で研究補助を受け,初年度20年度の研究実績として、以下の成果が得られた。 調査の実施前に全て新潟医療福祉大学内の倫理委員会のチェックを受け,若干の研究計画の修正を得た後,大学生を対象に,過去の親の威厳ある養育態度(遠山,2005a),教師の威厳ある指導態度(遠山,2005b)と現在の学習動機づけ(中谷・遠山・出口,2002),成績という学業的な領域,学校適応感(高瀬・内藤・浅川・古川,1986),進路選択効力感(浦上,1995)という環境適応的な領域,信頼感(天貝,1995),という社会的な領域,攻撃性(安藤・曽我・山崎・島井・嶋田・宇津木・大芦・坂井,1999),セルフ・ハンディキャッピング(沼崎・小口,1990)という問題行動領域に関するデータを収集した。 質問紙の印刷およびデータの入力は,学生をアルバイトで雇用し,協力を求めた。分析にあたっては,親の威厳ある養育態度と教師の威厳ある指導態度の「受容」「統制」「心理的自律性の尊重」の各側面を個別にとらえるのではなく,3側面の組み合わせによる効果を検討するために,3要因の分散分析を用いて分析中である。分析結果については,学会発表および学会誌への投稿を開始しており,21年度に発表する予定である。 また,21年度は小学生,中学生,高校生を対象として,20年度と同様の調査を行うことを予定しているため,20年度のうちに21年度に調査に協力を得られる小学校,中学校,高校を確保すべく,調査の趣旨の説明と協力の依頼を行った。
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