2008 Fiscal Year Annual Research Report
乳児の「心」に対する母親の認知および行動の実態と乳児期の心の理解発達への影響
Project/Area Number |
20830137
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Research Institution | Shiraumegakuen College |
Principal Investigator |
篠原 郁子 Shiraumegakuen College, 保育科, 専任講師 (30512446)
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Keywords | 発達心理学 / 乳児期 / 母子関係 / 心の理解 / 縦断研究 / 個人差 / mind-mindedness / 心の理論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)乳児を育てる母親を対象とし、乳児の「心」に対する主観的な読みとりの特徴と個人差を明らかにすること、(2)乳児の「心」に対する母親の認知的特徴と、実際の子どもに対する具体的な養育行動との関連を検討すること、(3)母親の認知的特徴が、養育行動を介して子どもの心の理解発達に及ぼす影響を探ること、の3点である。初年度となる今年度は、目的(1)と(2)について取り組んだ。 1. 研究協力者の募集と研究環境の整備 本研究の遂行にあたり、所属機関内に「白梅赤ちゃんラボ」を開設した。子育て支援施設ならびに子育て支援関連のイベントにおいて、赤ちゃんラボに訪問可能な協力者を募った。対象は生後6ヵ月前後の乳児とその母親とし、現在までに20組弱の協力者を得た。赤ちゃんラボでの調査実施にあたり、撮影・録音機器、および、乳児向けの玩具と家具の整備を行った。 2.調査の実施 母親が有する、乳児の心的状態に対する認知的特徴を測定するため、「心の帰属傾向(mind-mindedness)」の測定実験(篠原,2006)、および、「子どもへの洞察性測定インタビュー」(Oppenheim & Koren-Karie,2002)を実施した。次に、母親による乳児への具体的な行動に表れる特徴をとらえるために、自由遊び場面、ならびに、おやつ場面の2種類についてビデオ撮影を行った。母子相互作用場面については、母親が乳児の心的状態に言及する頻度と、乳児の状態に応じた適切な関わりの実践の程度について分析を行っている。 3. 今後の計画 研究協力者を継続的に募り、分析対象を拡大していく。同時に、得られたデータについて随時分析を進める。なお、研究参加者には半年後に再度、赤ちゃんラボにて調査を行うことを依頼しており、次年度は、乳児期における心的理解能力の発達について乳児を対象に実験を行う。
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