2009 Fiscal Year Annual Research Report
地域システムへの介入が一般高齢者の介護予防サービスに及ぼす効果に関する研究
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20830142
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Research Institution | Chikushi Jogakuen Junior College |
Principal Investigator |
川島 典子 Chikushi Jogakuen Junior College, 現代教養学科, 講師 (30455092)
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Keywords | 介護予防 / 一般高齢者 / ソーシャル・キャピタル / ソーシャルワーク / ネットワーキング / インフォーマルサービス / 縦断研究 / 単一実験計画法 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度調査を行ったソーシャルワーカー(以下SW)が地域システムの構築に介入している松江市雑賀地区と介入していない松江市朝酌地区の一般高齢者、及び福岡県筑紫野市の2地区(統制群と非統制群)の一般高齢者を対象として自記式アンケートによる調査を再度行った。調査の時期は、平成22年1月~平成22年3月である。松江市は地区社協と公民館の活動が盛んであるため、地区社協主催の会合に民生委貝や福祉協力員が集まる機会を利用して調査票を配布した。又、筑紫野市では「ふれあい・いきいきサロン」を利用して介護予防サービスを行っていることから、地域システムの構築にSWが介入している筑紫地区の「ふれあい・いきいきサロン」とSWが介入していない葉光ケ丘の「ふれあい・いきいきサロン」の一般高齢者を対象として調査を行った。調査対象者は約100名であり、回収率は約6割で昨年とほぼ同じである。 調査票で尋ねた内容は、主に、主観的健康感、ADL及びIADL、認知症の傾向、転倒歴などである。本研究は縦断研究であるが、僅か1年の間しかあけていないため、さしたる経年変化はみられなかったが、昨年同様SWが介入した地域の一般高齢者の方が主観的健康感も身体機能も良好で、認知症の傾向はなく、転倒歴も少ないとう結果が得られた。殊に認知症の傾向の項目において、統制群と非統制群の差が顕著であった。 しかし、本研究は単一実験計画法であり、調査対象者の母数も少なく調査地域や調査方法にも偏りがみられるため、今後はより客観的な結果を得るために集団実験計画法によって無作為に抽出した5000名の一般高齢者を対象とし同様の調査票を用いた3年間の縦横研究を行い多変量解析によって分析し、更に妥当性の高い結果を抽出してソーシャル・キャピタルの構築にSWか介入する事が介護予防サービスにおけるSWの重要な役割であるという仮説を検証する予定である。
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