2009 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレントラマン散乱を用いた高圧力マイクロ放電プラズマ研究
Project/Area Number |
20840030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 剛仁 Osaka University, 工学研究科, 特任講師 (70452472)
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Keywords | プラズマ / 高圧力 / コヒーレントラマン散乱 / 電界計測 / 大気解放雰囲気 / 水素雰囲気 / ナノ秒パルス放電 |
Research Abstract |
本研究は、コヒーレントラマン散乱を用いた高圧力マイクロ放電プラズマの診断を行い、絶縁破壊機構や、発生された高圧力マイクロ放電プラズマ中のダイナミクスを明らかにし、近年盛んに研究が進められている各種マイクロプラズマ応用へのフィードバックをもたらすことを目的とする研究である。本年度は、昨年度に引き続き、純水素雰囲気中で発生させたグロー状繰り返しナノ秒パルス放電に対する空間、時間分解電界計測に取り組んだ。ナノ秒パルス放電中でのドラスチックな電界形状変化、それに伴い空間電荷分布変化をとらえることに成功すると共に、同放電中を進行するイオン化フロントの速度が平均電界から予測される電子のドリフト速度よりも十分に早い事を示し、イオンは殆ど動けない短時間に、定常的なプラズマと類似した電界分布が、電子ダイナミックスを主体として形成される事を明らかにした。また、連続パルスで発生させる同ナノ秒パルス放電においては、前パルスからの残存荷電粒子が重要な役割を果たしている事を、パルス周波数と維持電圧との関係ならびに、上記電界計測におけるダイナミクスとの関連から示した。更に、近年応用が盛んに進められている大気解放雰囲気で発生させたマイクロプラズマ中での電界計測を実現するため、窒素分子をプローブ分子とした電界計測を実現し、大気開放雰囲気で発生させたプラズマへのレーザー電界計測を可能とした。測定シグナルの比を用いることで、通常必要となる分子密度の情報が無くても電界を導けることも実証し、温度変化など、分子密度変化が予測されるプラズマ雰囲気への適応性も実証した。
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