2008 Fiscal Year Annual Research Report
超高温高圧溶融状態からの高密度二酸化物ガラスの合成
Project/Area Number |
20860044
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丹羽 健 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教 (40509030)
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Keywords | 超高温高圧 / 二酸化物 / ダイヤモンドアンビルセル / ガラス / 結晶成長 |
Research Abstract |
本研究の初年度は,主に高圧下で溶融実験が可能な高温高圧発生装置の開発,希ガスのダイヤモンドアンビル用液化充填装置の開発および高圧下におけるゲルマニウム二酸化物(GeO_2)の溶融実験を行った.既存のダイヤモンドアンビルセル高圧発生装置と炭酸ガスレーザーを組み合わせることで数万気圧数千度の極限状態を実現でき,更にビームエキスパンダーを通してエネルギー密度を高めることで,高融点物質でも高圧下で溶融させることを可能にした.また,液化充填装置については設計から製作まで行い,初年度中に8割方完成した.現在真空や冷却機構,ギアなどの動作チェックをしている段階であり,21年度初めには稼動する予定である.溶融実験については,SiO_2は非常に高融点であるため技術的に難しく,まずGeO_2の溶融実験を優先して行った.GeO_2をKClO_4中で溶融させ,急冷回収試料のX線回折測定やラマン散乱測定,SEM-EDS観察から相同定を行った.当初の予想では溶融状態からの急冷により,GeO_2のガラスが回収されるものと思われたが,分析結果からGeO_2は中空状の単結晶として析出・回収されたことがわかった.この中空状GeO_2の結晶構造は過去に報告されたルチル型とよい一致を示すが,このような結晶形態の報告例はなく,世界で初めて報告された結晶形態である可能性が高い.現在,他の研究と平行してこの結果を投稿論文としてまとめている段階である.
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Research Products
(1 results)