2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規キネトコア結合因子Kapタンパク質群の機能解析
Project/Area Number |
20870004
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
杉山 智康 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 助教 (80503490)
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Keywords | 染色体分配 / キネトコァ / CENP-A |
Research Abstract |
CENP-Aは、全ての真核生物で保存されているピストンH3バリアントで、セントロメア領域にのみ局在する。このCENP-Aを含むクロマチン上にキネトコアが形成されるため、CENP-Aを正確にセントロメア領域のみに局在化させる事は、正常な染色体分配に必要不可欠である。染色体分配の異常は染色体の異数化に繋がり、ダウン症などの重篤な疾患を引き起こし、これら以外にも癌の発症および悪性化と染色体異数化の関連性が数多く報告されている。 これまで酵母を用いた遺伝学的、哺乳類培養細胞を用いた生化学的な研究により、CENP-A局在化に必要な因子、CENP-Aと結合する因子の同定がなされて来た。しかしながら、因子の同定および個々の因子の機能解析が十分になされているとは言えない。本研究では、遺伝学的および生化学的なアプローチが容易な分裂酵母をモデルとし、CENP,A局在化に関わる新規因子の同定およびその機能解析を行い、キネトコア形成機構の解明を行う。 平成20年度において、1)新規タンパク質Kap1は染色体上のキネトコア領域に結合している事、2)PCRを用いたランダム変異導入法によりkap1温度感受性変異株を作製し、この変異株ではアミノ酸置換が一カ所生じている事をゲノムシーケンシングにより確認、3)kap1温度感受性変異株ではミニ染色体の安定性が失われている事および微小管重合阻害剤TBZに高感受性を示す事、4)kap1温度感受性変異株は様々なDNA損傷に高感受性を示す事、5)kap1温度感受性変異株におけるCENP-AおよびKap1自身の局在は制限温度下でも特に変化が見られない事、を明らかにし、さらに6)新たなキネトコア結合タンパク質Kap2を同定した。今後これらの研究を継続発展させる事により、染色体分配機構の解明に貢献出来ると期待される。
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