2008 Fiscal Year Annual Research Report
発生タイミングを制御するマイクロRNA経路の研究:アミロイド前駆体様分子の利用
Project/Area Number |
20870005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
丹羽 隆介 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 助教 (60507945)
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Keywords | 発生・分化 / 発現制御 / 線虫 / 発生タイミング / マイクロRNA / 転写因子 / 核内受容体 |
Research Abstract |
(1)アミロイド前駆体様分子を利用した発生タイミング関連遺伝子の同定と機能解析 apl-1プロモーター領域とGFP領域との融合コンストラクトを導入したトランスジェニック線虫系統(ap1-1::GFP系統)を利用して、apl-1の発現を指標としたRNAiスクリーニングを開始した。線虫は大規模なRNAiスクリーニング系が良く整備されたモデル生物であり、線虫の予想コーディング遺伝子の大半に対するRNAiクローンライブラリーが利用可能である。申請者は、このライブラリーを用いて、apl-1::GFP系統のGFP発現レベルに変化を与える遺伝子を探索した。現在までに約100クローンについての1次スクリーニングが終了し、発現変動を示す数クローンを得た段階である。さらに大規模なスクリーニングを、平成21年度においても継続する予定である。 (2)成虫化過程をモニターできるアミロイド前駆体様遺伝子のエンハンサー解析 上述したRNAiスクリーニングとは別に申請者は、let-7経路に関わる分子メカニズムを直接的に探究する方法として、apl-1のダイナミックな発現を司るエンハンサー領域を同定し、そこに作用する分子を解明を行った。平成20年度からの解析で、apl-1のプロモーター約7.Okbのうちの約200bp領域が、apl-1の時間的発現に必要十分であることを示した。さらに私は、この200bp領域内に核内受容体結合モチーフがあることを見出した。このモチーフを介した転写制御に線虫の核内受容体のいずれかが関与しているのかどうかを検討の途中であり、平成21年度もこれを継続する予定である。
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