2008 Fiscal Year Annual Research Report
犬の脊髄損傷症例に対する嗅神経鞘細胞(OECs)移植による脊髄再生療法の臨床治験
Project/Area Number |
20880027
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
伊藤 大介 Nihon University, 生物資源科学部, 助手 (40508694)
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Keywords | Olfactory Ensheashing Cells / 脊髄損傷 / 脊髄再生医療 / Olfactory Ensheathing Glias / 椎間板ヘルニア / 鼻粘膜 |
Research Abstract |
本研究では犬における自然発症の脊髄損傷症例に対する嗅粘膜OECs自家移植療法のphase I(安全性評価)、そしてphase II(有用性の評価)を目的として研究を実施した。しかし適応症例との遭遇機会が少なく、本年度、実際に臨床治験を実施することは困難であったため、臨床治験実施のために改善すべき検討項目について研究を行った。具体的に本年度実施した研究は以下の通りである。 (2)経鼻内視鏡による嗅粘膜採取法の検討 現在、移植細胞の材料となる嗅粘膜は開頭術によって採取しているため、侵襲性が高い。そのため飼主の同意を得ることが難しく、臨床治験を実施できる機会が少ないのが現状である。人においては経鼻的に嗅粘膜を採取し、移植OECsを得ている。したがって、犬においても開頭術を行わずに内視鏡を用いて経鼻的に嗅粘膜採取ができるかどうか安楽死犬を用いて検討した。その結果、途中経過ではあるが経鼻的に内視鏡を使用して嗅粘膜を採取でき、移植材料であるOECsを非侵襲的に採取できることが判明した。今後は検体数を増やし、実際に生体での有用性ならびに副作用に関して検討を行った上で臨床応用する予定である。 (2)硬膜外カテーテル電極設置による脊髄伝導速度の評価 OECs移植後、客観的な機能評価の方法として、人で行われている硬膜外カテーテルによる電気生理学的診断が犬においても有用であるかどうか検討中である。犬における情報が少ないため、正常犬における上行性脊髄路の伝導速度、振幅等のデータを採取・分析中である。
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