2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波を用いた青果物ブランチング最適化システムの開発
Project/Area Number |
20880038
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
折笠 貴寛 Miyagi University, 食産業学部, 助教 (30466007)
|
Keywords | ブランチング / 乾燥処理 / マイクロ波 / アスコルビン酸 / リコピン / 調理用トマト / 復水性 / 色彩 |
Research Abstract |
青果物にマイクロ波処理を施す場合,長時間マイクロ波を照射することにより試料内部が高温になり,品質や色彩に悪影響を及ぼす可能性があるため,あらかじめ熱風乾燥などにより減率乾燥期間まで含水率を低下させた後,マイクロ波を照射する手法が取られる。高品質な乾燥食品を効率良く製造するためには,マイクロ波の照射時間,照射出力等の照射条件および色彩等の品質変化の関係を把握する必要があるが,これらについて詳細に報告した例はほとんど見当たらない。そこで,本年度は,高品質かつ復水性に優れた乾燥トマトを短時間で製造できる最適な照射条件の把握を目的とし,マイクロ波照射条件が乾燥食品の品質に及ぼす影響を調査した。その結果,マイクロ波を併用することで乾燥時間が3割~5割程度短縮されることが確認された。マイクロ波照射により色差が増大したが,リコピンの濃縮によるものと考えられた。また,処理条件が復水性に及ぼす影響について検討したところ,マイクロ波出力が高い試料ほど,初期吸水速度が高くなる傾向が見られた。これは,試料空隙率が増大したことが原因と考えられた。さらに,マイクロ波処理試料のアスコルビン酸残存率を熱風乾燥試料と比較したところ,有意な差は認められなかったことから,調理用トマトの乾燥処理において,マイクロ波を用いることが有効である可能性が示唆された。
|