2008 Fiscal Year Annual Research Report
シバヤギ雄効果フェロモンをモデルとした哺乳類繁殖機能促進に関わる神経機能の解明
Project/Area Number |
20880042
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
若林 嘉浩 National Institute of Agrobiological Sciences, 脳神経機能研究ユニット, 任期付研究員 (00510695)
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Keywords | 鋤鼻系 / キスペプチン / 弓状核 / GnRH / 扁桃体内側核 / メタスチン |
Research Abstract |
ヤギやヒツジでは、雄効果フェロモンの存在が知られており、このフェロモン情報は鋤鼻系を介して視床下部へと伝達され、GnRH分泌を促進すると考えられている。しかしながら、その詳細な神経回路はいまだ明らかとなっていない。そこで本研究では、この雄効果フェロモン情報伝達に関わる神経回路を明らかとする目的で、シバヤギを用いて順行性および逆行性トレーサーを用いた解析を行った。本年度は、この雄効果フェロモンの情報が、弓状核に存在するキスペプチンニューロンを介してGnRH分泌を促進するという仮説を検証することを目的として、弓状核に逆行性トレーサーを注入した。弓状核への入力線維を標識し、逆行性トレーサー陽性ニューロン細胞体の分布を検出することで、弓状核への入力部位を特定した。複数の神経核に陽性細胞体が検出されたが、その中で鋤鼻系を構成する重要な神経核である扁桃体内側核にトレーサー陽性神経が存在することが明らかとなった。そこで、扁桃体内側核に順行性トレーサーを注入し、弓状核より組織切片を作製し、抗キスペプチン抗体による免疫組織化学染色および順行性トレーサーを可視化した。その結果、扁桃体内側核から出力している神経軸索は、弓状核キスペプチンニューロン細胞体の近傍を走行していることが明らかとなった。これらの結果から、シバヤギにおいて、雄効果フェロモンの情報は、扁桃体内側核を経由して、弓状核キスペプチンニューロンへと伝達され、GnRH分泌を促進している可能性が考えられた。
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[Journal Article] Modulation of GnRH Pulse Generator Activity by the Pheromone in Small Ruminants2009
Author(s)
Murata K., Wakabayashi Y., Kitago M., Ohara H., Watanabe H., Tamogami S., Warita Y., Yamagishi K., Ichikawa M., Takeuchi Y. Okamura H., Mori Y.
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Journal Title
Journal of Neuroendocrinology 21(4)
Pages: p346-350
Peer Reviewed
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