2008 Fiscal Year Annual Research Report
多発性嚢胞腎におけるWNKキナーゼを介した高血圧メカニズム
Project/Area Number |
20890062
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
蘇原 映誠 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (90510355)
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Keywords | WNKキナーゼ / 多発性嚢胞腎 / 高血圧 |
Research Abstract |
本研究は常染色体優性多発性嚢胞腎(以下ADPKD)の合併症であり、死因と大きく関わっている高血圧のメカニズムをPKD1ノックアウトマウスを用いて解明しようとする研究である。 1:ADPKDマウスにおける高血圧の研究 帝京大学泌尿器科堀江重郎教授より供与されたPkd1ノックアウトマウスをB6マウスと交配し、ヘテロマウスを作製した。同腹の野生型とヘテロのマウスに高塩分食、通常食、低塩分食を負荷し、テイルカフ法による血圧測定を行った。高塩分食による血圧上昇傾向を認め、ヒトと同様に塩分感受性高血圧を呈する可能性を示した。今後、さらにデータを取り、必要に応じてテレメトリー法での血圧測定を検討する。 2:ADPKDマウスにおけるWNK1とWNK4-OSR1/SPAK-NCCリン酸化カスケードの研究 Pkd1ヘテロマウスにおいてWNK4-OSR1/SPAK-NCCリン酸化カスケードが野生型と比較してどのように変化しているかを観察した。Pkd1ヘテロマウスにおいてリン酸化NCCの発現は野生型と比べて高塩分食による減少を認めなかった。これはPKDモデルの本マウスにおける高血圧にNCCの過剰リン酸化が関わっている可能性を示している。今後、OSR1、SPAK、NCCの発現量とリン酸化の評価を行い更なるメカニズムの解明を行う。 3:管腔形成におけるWNK1の働きの研究 C.elegansにおいてWNK1の発現を抑制したところ、尿管の形成不全が起きたという報告があり、尿路における管腔形成にはWNK1が必要である可能性が示唆された。そこで、WNK1強制発現MDCK細胞を作成し、3Dコラーゲンジェルを用いてtubulogenesis assayを行ったが、管腔形成に大きな差は認めなかった。
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