2008 Fiscal Year Annual Research Report
交代制勤務に従事する看護師の夜勤中の仮眠に関する研究
Project/Area Number |
20890140
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
折山 早苗 Okayama University, 大学院・保健学研究科, 准教授 (20457203)
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Keywords | 看護師 / 深夜勤務 / 短時間仮眠 / 疲労 / 眠気 |
Research Abstract |
本研究では、三交代制勤務従事看護師の深夜勤務時間帯に覚醒水準の維持と疲労低減効果のある仮眠のとり方として、短時間仮眠を2回とることによる効果を検討した。被験者15人に、深夜勤務時間帯を午前0〜9時と設定し、午前2時30分、午前5時30分に15分間の仮眠を2回とる「仮眠あり」条件と仮眠のない「仮眠なし」条件の2条件を実施した。1時間毎に舌下温、脈拍、眠気と疲労および体調の主観的評価としてVisual Analog Scale(VAS)値、フリッカー値、唾液アミラーゼ活性AMY値、クレベリン値を測定し比較した。また、仮眠時にはBispectral index(BIS)モニターを使用し、睡眠の有無を判断した。実際に仮眠が2回とれた「仮眠あり」は7人、「仮眠なし」は15人であった。両条件間と各条件内の有意差検定には、二元配置分散分析(因子:仮眠の有無、データ区間)および一元配置分散分析(因子:データ区間)を行い分析した結果、「仮眠なし」は、舌下温については、午前2時よりも午前6時と7時が低下し、主観的な眠気は、午前2時より午前7時と8時、9時に増加していた。疲労感も眠気と同様に午前6時と牛前8時、9時に増加し、体調も、午前8時と9時に体調悪化を自覚していた。クレペリン値は、午前2時より午前6時と7時、9時に低下していた。一方、「仮眠あり」は全ての項目で、午前2時の値と比較し、有意な低下あるいは上昇を認めなかった。以上より、仮眠をとらない場合は舌下温の低下する午前6時以降に眠気の増加、疲労感の増加および体調の悪化を自覚していた。また、疲労の指標であるクレベリン値も同様に朝方に低下していた。一方、仮眠をとった場合は、朝方にも覚醒水準の低下や疲労の増加を認めなかった。以上より、深夜勤務時間帯をとおして仮眠を2回とることで、覚醒水準の維持および疲労低減効果が確認できた。H21年度は、夜勤中に2回短時間仮眠をとることによる有効性について、臨床現揚で看護師を対象として、検討する予定である。
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