2008 Fiscal Year Annual Research Report
拡散テンソル法をもちいた末梢神経損傷の新たな診断法の確立
Project/Area Number |
20890193
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小田 良 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (80516469)
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Keywords | 末梢神経 / MRI / テンソル / 再生 / 手根管 |
Research Abstract |
本研究の目的は、MRIの新しい撮影法である拡散テンソル法を用いて、末梢神経損傷の新たな診断法を確立することである。末梢神経診断法は、従来医師による診察と筋電図検査によってなされてきたが、いずれも確実性に問題があり、また筋電図は針を刺すため侵襲を伴う検査法であった。わMRI拡散テンソル法(diffusion tensor imaging: DTI)は、脳・脊髄での神経走行をin vivoで可視化できる点で、特に中枢神経疾患の診断技術として優れている。この技術を末梢神経に応用することで、より精度が高く、非侵襲的な末梢神経損傷の評価法を開発することを目的とする。まずラットの坐骨神経に損傷を加えた後、拡散テンソル画像を経時的に撮影し、神経損傷による信号変化、および損傷後の再生過程における信号変化を観察した。まず、5分の圧挫損傷を加えたモデルと永久に損傷させたモデルの2群で、損傷後の変化を観察した。パラメーターとしては、FA値、λ1,2,3を用いた。MRI撮像には明治国際医療大学所有の4.7T水平型実験用MRI装置(Biospec, Bruker社製,ドイツ)を用いる。2群間の評価で、神経が損傷を受けたときに、FA値が変化し、2群間に違いを認めた。今後、撮影を継続し、データをまとめる予定である。さらに、本結果と同時に形態学的評価も行い, MRIの結果との整合性を評価する。
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