2009 Fiscal Year Annual Research Report
バーチャルスクリーニングの高精度化へ向けたCOMBINEスコア関数の開発
Project/Area Number |
20890261
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
中村 真也 Kinki University, 薬学部, 助手 (10510109)
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Keywords | 構造活性相関 / バーチャルスクリーニング / SBDD / IT創薬 / 計算化学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、創薬を行う上で重要となるバーチャルスクリーニングの精度向上を目指すものである。本研究ではCOMBINE法を応用し、従来なかったターゲットタンパク特異的なスコアによってバーチャルスクリーニングの高精度化を目標としている。この目的の達成のために、以下の4つの項目の検討を予定していた。すなわち、1.ターゲットの選定、2.ドッキング条件の探索、3.構造予測の可否、4.大規模ドッキングの4項目である。 本年度は、前年度より引き続き選定したターゲットに関して横断的に項目1、項目2、項目3を検討すると同時に、本研究の主題となる項目4の大規模ドッキングの検討を行った。当初予定していた計算機資源が、納入の遅れに伴いかなり乏しくなってしまったことから真に大規模な検討が行えたとは言い難いが、10万化合物規模での複数の系でのドッキング結果から手法の可能性を検討した。まずそのままCOMBINE法による予測を適用した場合、定数項に起因するFalse Positiveな予測値が多く、活性を持たない化合物も比較的高いスコアで得られてしまった。そのため回帰の手法について定数項を利用しないよう変更し予測することで回避ができた。しかしドッキング精度と回帰された係数の兼ね合いから、反発を生じた構造部分が好ましいと評価される場合が見受けられた。以上より、COMBINEスコアは手法としては有用であるが、ドッキングの結果の中から反発した物理的に妥当でない構造をとる化合物を前処理として合理的に除く必要があると考えられる。本研究の成果として、手法の完全な確立までは至らなかったが、本手法は一層の洗練により精度向上が得られるという期待が得られた。
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Research Products
(2 results)