2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20890295
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
福井 裕輝 National Center of Neurology and Psychiatry, 精神保健研究所 司法精神医学研究部, 室長 (40455415)
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Keywords | サイコパス / 意志決定能力 / 脳機能 / MRI / 神経心理 / 共感性 / 前頭前皮質 / 扁桃体 |
Research Abstract |
健常被験者32名を対象にMRIの撮像を行い、また、Levenson Self-Report Psychopathy Scale(LSRP)、Psychopathic Personality Inventory-Revised(PPI-R)、Interpersonal Reactivity Index(IRI)の評価尺度を用いて、サイコパス傾向と共感性について測定した。その結果、両側の楔前部、右側の眼窩前頭前皮質、扁桃体に有意に脳体積の減少がみられた。さらに、IRIの下位項目であるEmpathic Concern(EC)と右側の楔前部の体積減少との間に、有意に相関が見られた。これらのことから、サイコパス傾向と上記部位の脳体積との間に関連があることが示され、なかでも楔前部は、共感性と関連があることが示唆された。先行研究からサイコパスの共感性の欠如には、楔前部の機能とされる第3者の視点に立っての視点取得の障害と深いつながりがあることが示唆された。 サイコパス患者群25名、比較対照群22名に対して、Diffusion Tensor Imagingを撮像した。全脳におけるFranctional Anisotrophy(FA)値を調べ、年齢、性別、IQを共変量として、両群間での差を求めた。その結果、サイコパス患者群では、背外側領域、島皮質領域においてFA値の有意な低下を認めた。背外側において低下の認められた領域のサイコパス患者群と比較対照群の平均FA値は、それぞれ0.553319と0.61009であった。島皮質では、それぞれ0.374807と0.398833であった。背外側領域、島皮質領域での白質神経繊維の接続性の異常とサイコパスとの関係が示唆された。
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Research Products
(11 results)