2008 Fiscal Year Annual Research Report
溶液錯体化学法による希土類物質のパノスコピック形態制御
Project/Area Number |
20900106
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
垣花 眞人 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (50233664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 聡 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (10162364)
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Keywords | 溶液錯体化学法 / 希土類物質 / パノスコピック / 形態制御 / 蛍光体 |
Research Abstract |
平成20年度は、(1) 新規水溶性シリコン化合物(WSS)の開発に成功し、これを用いた水溶液プロセスにより様々なシリコン含有蛍光体の水溶液からの合成並びに高輝度化に成功し、また(2) 錯体重合法を用いたパラレル合成による新規蛍光体の探索を実施し、(3) 硫化物系蛍光体合成ルートの開発に基づき、新たな白色LED用新規蛍光体を発見することができた。具体的な研究成果は以下の通りである。 (1) テトラエトキシシラン(TEOS)をプロピレングリコールと反応させることにより、水と任意の割合で混合可能な水溶性シリコン化合物の開発に成功した。WSSを用い、亜鉛シリケート、イットリウムシリケート、カルシウムスカンジウムシリケート等のシリコン含有蛍光体を水溶液から初めて合成することができ、その発光強度は従来法で合成した試料を大きく超えた。 (2) 平成19年度に開発した錯体重合パラレル合成法を用い、アルカリ土類金属-スズ系酸化物を母体とする一連の希土類賦活蛍光体の同時合成を行った。セリウム賦活カルシウム-スズ系酸化物は極めて良好な発光特性を呈した。また、WSSを導入したパラレル合成により、カルシウムチオガレート/シリカコンポジットが可視光励起にて黄色強発光することを見出した。 (3) 新たな白色LED用新規蛍光体候補物質として、2価のユーロピウムが賦活されたカルシウム・バリウム・チオシリケートを発見した。この蛍光体は、青色LEDを励起光源に用いることができ、黄色で強.発光する蛍光体であった。 WSSを導入した複合無機化学的な手法およびパラレル合成スキームに基づいた物質探索手法の確立は、蛍光体材料分野に大きなインパクトを与えるものであり、本研究の成果の意義は大きい。
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Research Products
(19 results)