2008 Fiscal Year Annual Research Report
教師用RCRTを活用した荒れた学級への支援介入プログラムの開発
Project/Area Number |
20905001
|
Research Institution | 兵庫県加古川市立陵北小学校 |
Principal Investigator |
川元 佳子 兵庫県加古川市立陵北小学校, 兵庫県加古川市立陵北小学校, 教諭
|
Keywords | 教師用RCRT / 学級経営 / 教師内地位指数 |
Research Abstract |
教師の子どもに対する視点を理解することで担任教師の学級経営支援ができるのではないかと考えた。「教師用RCRT (Role Construct Repertory Test)」という方法を使い教師の「子どもに対する視点」を把握できることは先行研究(浦野,2001)により明らかであったが、従来の実施方法は高度なデータ処理や専門家によるコンサルテーションを必要としていた。そこで、専門的な知識を持たない教師であっても比較的簡単に実施し、結果を理解することができるような方法の改良・開発が必要であると考え、教師用RCRTの応用的な実施方法の検討を含めた支援介入プログラムを開発することを本研究の目的とした。 プログラムにおいてQ-U(QUESTIONNAIRE-UTILITIES)で学級の状態をアセスメントした上で、教師用RCRTを実施した。その実施においては従来の教師用RCRTに教師の意図的方向付けを把握する川元版教師用RCRTを加えた。その結果、産出されたコンストラクト・抽出された因子の内容が二つの教師用RCRTにおいて違いがあった。また、教師内地位指数(順位)でも大きなズレを示す児童が存在することも確認された。分析データから教師自身の視点を把握、二つの因子分析の比較と教師内地位指数から学級の荒れを防ぐための方法を検討した。その結果、教師内地位指数の範囲外の児童及び気になる児童について継続観察をすることとなった。 継続観察以後、Q-Uの学級生活不満足群が減少し学級生活満足群が増えるなど、教師内地位指数の差から抽出された子ども及び学級全体が良好な結果へと変化していた。また、教員の感想からも、自分の視点を知ることで教師としての視野が広まり学級経営がやり易くなったという意見が多く出された。
|