2008 Fiscal Year Annual Research Report
マングローブの胎生種子を通した学習意欲を高める教材開発
Project/Area Number |
20908025
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Research Institution | 沖縄市立美東中学校 |
Principal Investigator |
比嘉 俊 沖縄市立美東中学校, 教員
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Keywords | 学習意欲 / マングローブ / 胎生種子 |
Research Abstract |
本研究の目的は実生活にあるものを教材にすることによって、生徒の学習意欲を高めることである。そのため沖縄固有のマングローブの実生を教材として設定した。 研究の方法として、(1)実生の長さをデジタルノギスで測定し、樹上での成長速度を測定した。(2)長さ20cm以上のメヒルギの実生を母樹から採取し、それらをバケツに入れて、その浮沈の様子を1ヶ月に渡って観察した。このときの水は採集地の水を使用した。(3)メヒルギの実生を母樹から採取し、それらを「砂の中」、「砂の上」、「水の中(密度高)」、「水の中(密度低)」の状態で放置し、状況による発根ようすを観察した。(4)上記の観察結果や画像や映像を教材とした授業を中学1年生で試行し、授業に関するアンケートを生徒から採った。教科書どおりの授業を行った学級を対象クラスとして設定した。 本研究を通して明らかになったことは、(1)ヤエヤマヒルギの実生は1日で平均3.04mmのびる。また、メヒルギは1.62mm、オヒルギは0.42mmのびる。(2)実生を水に入れると、「水面で浮く」「水中で立つ」「水底に沈む」の3つのパターンが出た、観察初日、浮いた実生は9.30%であったが、16日後には58.13%になった。また、マングローブの母樹が川辺にあると浮く実生がつくられ(22.72%)、内陸部の母樹では浮く実生はつくられなかった。(3)砂に埋もれた実生は3週間もすると90%以上が発根するが、その他では1ヶ月を超えても発根はみられなかった。(4)試行学級と対象学級を比較すると、「授業が楽しかった」「植物について理解できた」「植物についてもっと知りたい」という項目に対しては、試行学級が有意に高い回答を示していた。これらのことから、試行授業では殆どの生徒において学習意欲は高まったと考える。
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