2008 Fiscal Year Annual Research Report
簡易真空保存容器を利用した断熱膨張に関する実験方法の研究
Project/Area Number |
20916008
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平賀 博之 Hiroshima University, 附属福山高等学校, 教諭
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Keywords | 真空保存容器 / 断熱膨張 / 雲の発生 |
Research Abstract |
断熱膨張による雲の発生に関する実験は,教えにくい内容,生徒の理解しにくい内容の一つであると感じてきた。今回考案した方法は,透明なポリエチレン袋に高感度のデジタル温度計を入れて輪ゴムで口を閉じ,それを真空保存容器内に入れて,容器内の圧力を下げるというものである。容器内の圧力低下につれて,透明なポリエチレン袋の中の空気が膨張し,同時にその中に入れた温度の示度が下がることが,視覚を通して直感的に観察できる。この方法によりこれまでより,断熱膨張の現象に対する理解度が上昇することがわかった。 また雲の発生に関する内容については,この実験を基に段階的に論理的な思考を通して学ぶことができる指導モジュールを開発した。主な内容は, (1) 真空保存容器のポンプを引くと,内部の気圧が下がる。(ポンプを引くことは空気を上昇させることと同じ意味になる。) (2) 容器内に口を閉じたポリエチレン袋やゴム風船を入れてポンプを引くと,ポリエチレン袋やゴム風船の内部の空気が膨張し,温度が下がる。 (3) ポリエチレン袋に少量の水と線香の煙を入れて口を閉じたものを,容器内に入れてポンプを引くと,袋の中の空気が露点に達し,雲ができる。 この指導モジュールはビデオ教材,ワークシート,指導案からなり,これらを活用して雲の発生に関する学習を進めるものである。これらを1枚のDVDに収録した。 また,開発した指導モジュールによる授業実践を行い,教材に対する評価を行ったところ,これまでの教材に比べて生徒の理解状況が向上すること,生徒の学習に対する満足度が高まることが明らかになった。 なお,教材の教育課程上の実施時期の都合で授業実践並びに教材に対する評価が3学期になったため,発表は平成21年度におこなう予定である。
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