2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20926005
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
柴山 良彦 Kagoshima University, 医学部・歯学部附属病院, 薬剤師
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Keywords | 黒酢 / 安全性 / 薬物相互作用 |
Research Abstract |
目的:健康食品として汎用されている黒酢が薬物療法に影響を及ぼす可能性について検討するため、黒酢が薬物代謝酵素や薬物トランスポーターなどの発現に及ぼす影響を明らかにする。 方法:ラットに黒酢10倍濃縮液(pH3.5)を1.5ml/kgで、黒酢もろみを50mg/kgの用量で投与した。対照群として0.23%酢酸液(pH3.5)および水(10ml/kg)を投与した。それぞれ10ml/kgとなるように水で希釈し、30日連続で1日1回経口投与した。連続投与後、肝臓をおよび血液を採取し、薬物代謝酵素や薬物トランスポーターの発現をウエスタンブロッティング法により分析した。また、肝機能、腎機能の指標となるアルカリフォスファターゼ(ALP)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)および血清クレアチニン(Cr)に及ぼす影響についても分析した。 結果:黒酢、黒酢もろみ、酢酸および水を投与された4群間において体重、血清総蛋白、ALP、ALTおよびCr値に有意差は認められなかった。また肝臓における薬物代謝酵素や薬物トランスポーターの発現を分析した結果、チトクロムP450(CYP)IA2、CYP2B1/2、CYP3A1、グルタチオンSトランスフェラーゼ、P-glycoprotein、multidrug resistance protein 2、breast cancer resistance protein、organicanion transporter polypeptide 2、organic anion transporter 1 (Oatl)およびOat2の有意な発現変化は認められなかった。 研究成果:本研究は黒酢および黒酢もろみ投与により毒性を生じないこと、薬物代謝酵素や薬物トランスポーターの発現に影響が及ばないことを示唆している。よって黒酢および黒酢もろみ摂取により薬物相互作用が生じる可能性は低いと考えられる。
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Research Products
(10 results)