2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Novel Method to Assess Pain in Common Marmosets Using Facial Expression
Project/Area Number |
20F20096
|
Research Institution | Kyoto University |
Host Researcher |
宮部 貴子 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (10437288)
|
Foreign Research Fellow |
WILSON DUNCAN 京都大学, 霊長類研究所, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2020-07-29 – 2022-03-31
|
Keywords | コモンマーモセット / 痛み / 表情 / 行動 / 動物福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
コモンマーモセットは近年、医学生命科学、脳神経科学、認知科学など様々な分野で実験動物として用いられている。モデル動物として侵襲的な手術や処置を受ける機会もあるが、コモンマーモセットの痛みを評価する方法は確立していない。動物の痛みを最小限にすることは、動物福祉の観点からも、実験データの信頼性の観点からも非常に重要である。本研究の目的は、コモンマーモセットにおいて、表情を用いた新規の疼痛評価法を開発することであった。
本研究では、動物福祉の観点から本研究のために痛みを与える処置をするのではなく、他の研究目的で開腹手術を受けるコモンマーモセットについて、手術前後のビデオ撮影を行った。撮影した動画から、英国の共同研究者であるDaniel Mills教授のグループがネコを対象としておこなった先行研究であるFinka et al. 2019の方法に基づき、形態学的手法を応用して表情を解析した。コモンマーモセットの開腹手術は実験動物中央研究所において行われた。当初の予定では、外国人特別研究員であるWilson博士が実験動物中央研究所へ出張し、ビデオ撮影をおこなう予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響により、出張ができなかった。そのため、実験動物中央研究所の共同研究者とオンライン会議で相談し、共同研究者が撮影を行った。 Wilson博士が主にデータ解析を行い、受入研究者は、共同研究者との連絡、調整、動物実験計画書の作成、必要な物品の購入、発送などのサポートを行った。また、心理学、比較認知科学のバックグラウンドを持つWilson博士は、獣医麻酔学、実験動物学のバックグラウンドを持つ受入研究者のグループに新たな視点をもたらし、研究室のミーティングで有意義なディスカッションができた。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Remarks |
本共同研究は2年間の予定であったが、外国人特別研究員が京都大学文学部において常勤の職を得たため、1年で中断となった。しかし、データ収集は一段落しており、解析を進めているところであるため、引き続き共同研究を続け、できるだけ早い段階での成果公表を目指している。まだ道半ばであるが、本研究の成果を公表すればインパクトは大きく、コモンマーモセットの動物福祉を大きく向上できると確信している。
|