2020 Fiscal Year Annual Research Report
Vaccine development of mosquito-borne infectious diseases using molecular controllable multiple antigen-displaying virus-like particles
Project/Area Number |
20H00411
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
朴 龍洙 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 教授 (90238246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 竜也 静岡大学, 農学部, 准教授 (00397366)
宮崎 剛亜 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 助教 (30775721)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ウイルス様粒子 / 抗原提示 / エンベロープ / デングウイルス / 磁気ナノ粒子 / タンパク質精製 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1-1)ノンエンベロープ型VLPの作製: 本研究ではウイルス様粒子(VLP)用タンパク質としてパルボウィルス属に属するCanine parvovirus Viral Protein 2の構造タンパク質VP2を用いた。VP2が形成するVLPはエンベロープを持たないカプシドタンパク質60個から成る直径20 nmの正二十面体粒子である。VP2をカイコで発現し、精製を行い、透過型電子顕微鏡で観察した結果、直経20 nmの球状のVLPが得られた。得られたVLPをウエスタンブロットで確認を行い、今後のノンエンベロープ型VLP(抗原キャリア)とし、これにSC/ST化学修飾を行い、次年度に抗原提示を行う。 (1-2)カイコへのSC/ST化学修飾系の導入:上記(1-1)で構築したVP2を基盤としたVLPにSTを、SCに蛍光タンパク質(EGFP)を融合して、カイコで発現した結果、それぞれ70.8 kDaと43.8 kDaのタンパクが得られた。これらをin vitroで結合したところVP2/ST/SC/EGFPが結合した115 kDaのタンパク質が得られ、SC/ST系の導入を確認した。今後EGFPの代わりに抗原提示を行う予定である。 (1-3)磁気ナノ粒子によるVLPの精製:デングウイルス様粒子(DENV-LP)を発現したカイコ体液を回収し、ライシスバッファーで10倍希釈した後、4℃で1時間FLAGタグを修飾した磁気ナノ粒子(MNP、直径20 nm)に反応させた。反応後、DENV-LPを結合したMNPを磁石で分離し緩衝液で洗浄した。その後0.17 MのグリシンHCl溶液を用いて溶出を行った結果、回収率68%を得た。この結果は、カイコ体液から目的タンパク質の回収が十分可能であることを示すものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エンベロープ型ウイルス様粒子の作製が順調であり、また抗原提示用SC/ST化学修飾も確認済であるため、次年度の抗原提示が行いやすくなった。これらの理由で研究は概ね順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目に作製したSC/ST化学修飾を用いて、VLP上に抗原提示を行う。 (1)SC/ST化学修飾による多価VLPの作製:デングウイルス(DENV)の4種の血清型(DENV-1からDENV-4)の抗原にST側を融合させたカイコ発現用バクミドを作製する。カイコで発現したST-DENV1からST-DENV4を各種抗体で確認する。これらを1年目の研究計画で完成したVLPキャリア-SCとカイコ体内で共発現すると、VLPキャリアのSCと抗原側のST間のイソペプチド結合によって抗原を提示したVLPを得る。結合条件の最適化後、DENV-1からDENV-4の4種類の抗原あるいは抗原エピトープを提示した多価VLPを作製する。マラリアの場合、Merozoite surface proteinとCircumsporozoite proteinの抗原あるいは抗原エピトープの2種類の抗原提示を行う。in vivoで反応効率が低い場合、それぞれの抗原とVLPキャリアを別々に発現・精製後、in vitroでSC/ST結合反応を行い、反応効率を高める。 (2)ナノ粒子の機能化:MNP@Auは、表面電位の違いによりある程度VLPと吸着するが、特異性がない。そこで、前年度作製したMNP@AuをEDC/NHSによるカップリング法により精製用タグに対する抗体を化学修飾した機能性ナノ粒子(Ab-MNP@Au)を作製する。このAb-MNP@Auは、標的多価VLPのみ結合する。タグの代わりにSC/ST化学修飾法にも適用可能であり、本研究では多価VLPとの結合効率が高い方法を選択する。 (3)動物実験:前年度準備したCPrMEとPrMEを基盤としてデングウイルス様粒子(DENV-LP)各血清型8種類、DENV-LPを共発現して得られた四価DENV-LP、マラリア抗原3種類の評価を行う。
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Research Products
(12 results)