2022 Fiscal Year Annual Research Report
Vaccine development of mosquito-borne infectious diseases using molecular controllable multiple antigen-displaying virus-like particles
Project/Area Number |
20H00411
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
朴 龍洙 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 教授 (90238246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 竜也 静岡大学, 農学部, 教授 (00397366)
宮崎 剛亜 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 准教授 (30775721)
鈴木 亮介 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 室長 (50342902)
筏井 宏実 北里大学, 獣医学部, 准教授 (80327460)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ウイルス様粒子 / 抗原提示 / エンベロープ / デングウイルス / マラリア抗原 / タンパク質精製 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)抗原提示用抗原の最適化:デングエンベロープ領域としてエピトープを含む短い領域EDIIIを抗原対象にした。血清型1ー4の1EDIIIー4EDIIIにそれぞれSTを融合した4つの抗原(SC-1EDIIIーSC-4EDIII)を作製し、精製に精製に成功した。ウイルス様粒子(VLP)として前年度作製済みのノロウイルス様粒子(NoV-LP)にSpyTag (ST)を融合(ST-NoV-LP)し、カイコで発現、精製を行った。抗原提示効率を最大にするために、ST-NoV-LPとSC-EDIIIのモル比を1:1ー1:4に変え、最適化を行ったところ、モル比1:3で最大提示率を得た。マラリア抗原候補として肝細胞内CSP、赤血球内MSP1-19、ハマダラカ内Pys25とPys28、計4種類を選び、カイコで発現し、抗原提示のためにSCに融合した。 2)動物実験用サンプルの作製:上記の1)で調製したST-EDIIIの4種類を作製し、定量を行い、動物実験に供した。病原体を持たない雌性BALB/cマウス(9週齢)に調製した各VLP 50 マイクロg(アジュバントを使用)を免疫した。免疫後のブースターとして14日目と28日目に腹腔内免疫した。マラリア抗原の場合、免疫後21日目と42日目ブースター免疫を行い、63日目にマラリア感染を行った。 3)動物実験後のサンプルの解析:中和活性は、単発感染性粒子(Single-round infectious particles, SRIPs)を用いて測定した。免疫後42日目にマウスの血液を採取し、SRIPsと血清をベロ細胞に加え、反応を行ったところ、全ての血清型について陰性コントロールより約10ー1000倍の高い活性を示した。マラリア抗原については、アジュバントの添加有無にかかわらず抗体産生は確認できたが、マラリアの防御については有意な結果を得ることができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度デングウイルス抗原の発現系を見なおして、カイコで発現することができた。また、動物実験も順調に進められたので、計画通りに研究を進めることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
既に作成済みのノロウイルス様粒子(NoV-LP)やデングカプシド様粒子(DENV/C)を基盤とし、SpyCatcher/SpyTag(SC/ST)やBiotin/Streptavidin(BioT/Strep)化学修飾を抗原提示に用い、多価VLPを作製し、動物実験でVLPを評価する。 1)SC/ST化学修飾によるマラリア2価VLPの作製: NoV-LPをSTに融合したNoV-LP/STに、マラリア抗原PyCSPとPyMSP1-19を提示し、2価VLPマラリア抗原を作製する。 2)SC/ST化学修飾によるデング4価VLPの作製: SpyCatcher (SC)をそれぞれデングウイルスの血清型1ー4のEDIII領域に融合した4つの抗原(SC-1EDIIIーSC-4EDIII)を作製する。ウイルス様粒子(VLP)として前年度作製済みのノロウイルス様粒子(NoV-LP)にSpyTag (ST)を融合(ST-NoV-LP)し、カイコで発現、精製を行う。抗原提示効率の最適化を行った後、血清型1ー4のEDIIIを提示したNoV-LP/tetEDIIIの4価VLPの作製を完成する。 3)DENV/Cを基盤としたデング2価VLPの作製: DENV/Cを用いたカプシド様粒子(CLP)を作製し、BioT/Strep結合反応を使用し、4血清型のEDIII領域を提示した4価VLPの作製を試みる。 4)動物実験用サンプルの作製及びVLPの評価:上記の1)から3)で作製したサンプルを既に作成済みのプロトコールに従って、それぞれ動物実験を行い、VLPを評価する。デングウイルス抗原については、抗体産生及び中和活性を調べる。マラリア抗原については、抗体の産生やPlasmodium yoelli攻撃後採収した血清の赤血球内寄生生殖変化(寄生虫血症、parasitemia)を調べ、抗原提示VLPの評価を行う。
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Research Products
(17 results)