2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating how homeostasis is maintained through nutrition-based appetite
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20H00412
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 努 京都大学, 農学研究科, 教授 (50466687)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マクロ栄養素 / 嗜好性 / 視床下部 / 臓器連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、臓器連関シグナルに着目して、「各三大栄養素の成分に対する食欲」を調節する仕組みを、遺伝子組換えマウスを用いて解明することを目指している。 単純糖質に対する食欲の調節メカニズムの解明のために、OXT神経特異的FGF21受容体欠損マウスの食行動解析を行い、単純糖質嗜好性の抑制不全を起こすことを明らかにした。また糖尿病・肥満モデルマウスにおけるFGF21-OXT系の変容解析を進め、同病態モデルでは糖応答性のFGF21分泌不全が起こることを明らかにした。FGF21に対するOXT神経の反応性については、現在解析中である。 中鎖脂肪酸に対する食欲の調節メカニズムを解明するために、Acadm-floxマウスをAMED-BINDS事業で作成し、肝臓特異的Acadm-floxマウスを解析する予定であった。当初提供されたfloxマウスを解析する中で、floxアレルがちゃんとできておらず、次世代に継承されないことが判明した。そのため、マウスを作り直してもらい、2021年3月(年度末)にようやく新たに作成されたfloxマウスが適切な配列を持ち、次世代にfloxアレルが継承されることが確認できた。 タンパク質に対する食欲の調節メカニズムの解明では、FGF21とグルカゴンに着目して研究を行い、栄養学的なデータを得ることができた。しかし、当初の解析対象である条件付き遺伝子組換えマウスが生まれてくるのに時間を要したため、初期データが得られるのみであった。グルカゴン投与によるタンパク質嗜好性の変容は、神経特異的グルカゴン受容体欠損マウスでは消失するという初期データが得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、年度の前半に研究活動が大きく制限されたため、実験が大幅に遅れた。 また、AMED-BINDS事業で作成してもらったAcadm-floxマウスが適切に作成されておらず、作り直す必要が生じたため、半年以上実験が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
大学院生の技術習得がやっと進んだため、後れを挽回すべく実験を進める。 単純糖質に対する食欲の調節メカニズムの研究は、ある程度データが出てきており、挽回可能と考える。 中鎖脂肪酸に対する食欲の調節メカニズム研究は、floxマウスの遺伝子配列と次世代への継承が確認できた段階であり、解析対象である肝臓特異的Acadm欠損マウスは、年度の後半に生まれる予定である。順次解析を進める予定である。 タンパク質に対する食欲の調節メカニズム研究では、解析対象となる遺伝子組換えマウスが生まれてきており、今年度は順調に解析できる予定である。
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Research Products
(5 results)