2020 Fiscal Year Annual Research Report
IgG4関連疾患の免疫学的特異性を基盤とした病因解明と疾患モデルマウスによる検証
Project/Area Number |
20H00553
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 誠司 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60189040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 雅文 九州大学, 歯学研究院, 助教 (20452774)
前原 隆 九州大学, 歯学研究院, 助教 (10637333)
新納 宏昭 九州大学, 医学研究院, 教授 (20380636)
柴田 琢磨 東京大学, 医科学研究所, 助教 (30554505)
坪井 洋人 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80580505)
安河内 友世 (川久保友世) 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (70507813)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | IgG4関連疾患 / 病因 / B細胞 / マクロファージ / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgG4関連疾患は、全身の多臓器に腫瘤形成とそれによる機能障害を生じ、高IgG4血症と病変局所のIgG4陽性形質細胞の浸潤と線維化を特徴とする特異な全身疾患であるが、有効な治療法はなく、病因解明と新規治療法の開発が強く求められている。本研究では、従前の研究成果を基盤として、特異なT細胞、B細胞、マクロファージのサブセットに着目し、IgG4-RDの病因を解明することを目指した。まずは、IgG4-RDの末梢血と罹患臓器における特異なT細胞、B細胞、マクロファージを同定するために1細胞レベルでの遺伝子発現解析を行い、さらにT細胞受容体とB細胞受容体のレパトア解析を行なった。その結果、濾胞性ヘルパーT (Tfh) 細胞のうち、免疫チェックポイント分子であるLAG3 (Lymphocyte activation gene 3) を発現しIL10+Tfh細胞や CD4+ GZMK+ cytotoxic T細胞、CXCL13+PD1+CXCR5-Tph細胞など特徴的な T細胞が増加していることが明らかになった。また、B細胞サブセットでは、免疫グロブリンのクラススイッチに重要であるAIDを発現した活性化B細胞がIL10レセプターを特異に発現していることが明らかになった。また、B細胞においては、CD27-IgD- Double negative B細胞も増加していることが明らかになった。現在、これらのサブセットに関して、T細胞受容体並びにB細胞受容体のレパトア解析を行なっているところである。また、Toll like receptor 7を発現したマクロファージに着目し、TLR7のアゴニスト(R848)で刺激することで病態を再現できるマウスが作成可能かどうか検証した。その結果、TLR7/IRK4を介したシグナルでマクロファージからIL1b、TGFbの産生が上昇することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染拡大の影響で必要な検体数の確保ができずに、研究が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
病因解明には、疾患患者の罹患臓器の解析が必須である。引き続き、検体数の確保を行い、研究を遂行する。
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Research Products
(7 results)