2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of decision-making factors in multi-tasks on clinical practices
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20H00558
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小山 博史 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (30194640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 公一 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 (20334378)
中口 俊哉 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (20361412)
黒田 嘉宏 筑波大学, システム情報系, 教授 (30402837)
金井パック 雅子 関東学院大学, 看護学研究所, 客員研究員 (50204532)
井野 秀一 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (70250511)
藤原 道隆 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院教授 (70378222)
足立 吉隆 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (70407229)
江頭 正人 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (80282630)
松井 邦彦 熊本大学, 病院, 教授 (80314201)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 多重課題 / 意思決定 / 仮想体験 / Virtual Reality / 生体計測 / 意思決定モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
人間の意思決定要因には、外界からの情報、資源の制約などの外的要因を制御し、経験(知識やスキル)、感情、価値観、それに伴う認知バイアスなどの内在的要因がある。また、主な意思決定モデルには、合理的意思決定モデル(Rational Decision-Making Model)、直感的意思決定モデル(Intuitive Decision-Making Model)、認識重視型モデル(Recognition-Primed Decision Model)がある。 本研究では、昨年度まで意思決定者が過去の経験に基づいて現状の認識を構築し、それを用いて最適な選択肢を選ぶモデルで、状況を認識し、それに対応する行動を迅速に選択するプロセスとされている認識重視型モデルに着目して研究を行なってきた。具体的には、Virtual Reality(VR)技術を用いて外的要因を制御し、仮想世界を用いた状況学習理論に基づいたVR多重課題教材(VR Materials for Multiple Task: VRMMT)を開発し、体験中の生体反応データの取得のためNIRS(Near-Infrared Spectroscopy: NIRS)を用いた前頭前野の脳血流変化量とHead-Mounted Display(HMD)を用いた瞳孔径、脈拍センサを用いた脈拍数、GHz-Spin-Rotation Sensor(GRS)センサーを用いた皮膚抵抗データを取得可能なシステムを開発した。取得した生体データから特徴量を算出し,3要因の分散分析を行った。脈拍間隔では15個の特徴量のうち4個,皮膚電気抵抗では7個の特徴量のうち2個,NIRS信号では6個の特徴量のうち2個,瞳孔径では4個の特徴量のうち3個で5%水準で有意な差を示した。また、VR教材と動画教材体験後のfMRIによる脳内活動の特徴についても解析を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人間の意思決定要因には、外界からの情報、資源の制約などの外的要因を制御し、経験(知識やスキル)、感情、価値観、それに伴う認知バイアスなどの内在的要因がある。また、主な意思決定モデルには、合理的意思決定モデル(Rational Decision-Making Model)、限定合理性モデル(Bounded Rationality Model)、認識重視型モデル(Recognition-Primed Decision Model)などがある。昨年度まで、意思決定者が過去の経験に基づいて現状の認識を構築し、それを用いて最適な選択肢を選ぶモデルで、状況を認識し、それに対応する行動を迅速に選択するプロセスとされている認識重視型モデルに着目して研究を行なってきた。具体的には、Virtual Reality(VR)技術を用いて外的要因を制御し、仮想世界を用いた状況学習理論に基づいたVR多重課題教材(VR Materials for Multiple Task: VRMMT)を開発し、体験中の生体反応データの取得のためNIRS(Near-Infrared Spectroscopy: NIRS)を用いた前頭前野の脳血流変化量とHead-Mounted Display(HMD)を用いた瞳孔径、脈拍センサを用いた脈拍数、GHz-Spin-Rotation Sensor(GRS)センサーを用いた皮膚抵抗データを取得可能なシステムを開発してきた。取得した生体データから特徴量を算出し,3要因の分散分析を行った.脈拍間隔では15個の特徴量のうち4個,皮膚電気抵抗では7個の特徴量のうち2個,NIRS信号では6個の特徴量のうち2個,瞳孔径では4個の特徴量のうち3個で5%水準で有意な差を示した. また、意思決定には、VR教材と動画教材体験後のfMRIによる脳内活動の特徴についても解析を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度までComputer Graphics技術で開発した多重課題VR教材に加えて、リアリティの高いと言われるAugumented Reality(AR)技術を用い、実際撮影したバーチャルな映像の上にHMDに取り付けたカメラから取り込んだ学習者の目の位置から見えるように周囲のリアルの映像を重ね合わせ、被験者(看護師)の周りに仮想患者,ベッド,布団,医療機器を配置し,被験者が仮想の病室の中に立って,目の前の仮想患者や医療機器に触ることができるARシステムを開発し、リアリティを向上させた多重課題AR教材を開発する。これらVR教材とAR教材を用いて、多重課題に関する意思決定に必要とされる優先順位付け、時間管理、リソース管理、対応の柔軟性、コミュニケーションについて、初心者と熟練者との多重課題に関する意思決定の違いについて意思決定要因を明らかにすることを目指す。具体的には、学生、初心者、熟達者を対象に、臨床場面の多重課題教材について既存教材と開発したVR教材とAR教材のランダム化比較試験し、生体データについて初心者と熟達者との意思決定スキルの違いや関係から意思決定要因を明らかにし、問題解決能力について学習用VR教材と評価用AR教材を開発し、意思決定要因の解明を目指す。
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Research Products
(18 results)