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2020 Fiscal Year Annual Research Report

視覚障害のある生徒が触図を理解する速度を踏まえた適正な試験時間の検討

Research Project

Project/Area Number 20H00822
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

青松 利明  筑波大学, 附属視覚特別支援学校, 教諭

Project Period (FY) 2020-04-01 – 
Keywords点字使用生徒 / 図表の読み取り速度 / 試験問題
Outline of Annual Research Achievements

大学入学共通テストなどの試験において、点字使用生徒は通常の1.5倍の時間延長が認められているものの、図表の読み取りを必要とする出題が増えており、試験時間の妥当性に課題を感じてきた。そこで本研究では、晴眼者と点字使用者の2グループにおいて、情報量の多い雨温図や表から指定された内容を読み取る速度を測定した。そして、文章を読む速度と図表を読み取る速度の相関の有無や、図表を読み取る速度にどの程度の差があるかを検証した。さらに、視覚障害のある生徒にとって図表を用いた出題形式が能力の適正な判断であるのか、試験時間が妥当であるのかという検討につなげることを目的とした。
2020年4月から2021年3月までの期間で、晴眼者20名、点字使用者29名に対して調査を行った。600字程度の文章を読む速度、雨温図において降水量および気温の傾向を読み取る速度、15名の身長と体重がかかれた表・時間割表・15名の各教科の点数表から指定された内容を読み取る速度をそれぞれ測定した。それぞれの平均値を比較したところ、いずれも点字使用者の方が時間を要することが明らかになった。さらに平均値の比をみると、文章を読む速度では1.44倍、雨温図を読み取る速度では約10倍、表を読み取る速度では3.0~9.2倍の違いがあった。なお、いずれのグループでも読速度と図表を読み取る速度の間に相関は見られなかった。以前の研究では、違いが明確な基本的図形の探索速度の平均値の違いは4倍程度であったが、雨温図を比較する課題では平均値の違いが10倍、表の読み取りでは平均値の違いが3倍以上となった。これらのことから、図表から情報を読み取るという出題形式では1.5倍の時間延長が妥当であるとはいえないことがわかった。また、雨温図の課題では選択肢を図にしたが、そのような場合は読み取り時間が大きな負担となると考えられる。

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Published: 2022-12-28  

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