2020 Fiscal Year Annual Research Report
重度・重複障がい児の筋緊張に応じた語彙力を高めるためのワンタップ教材アプリの開発
Project/Area Number |
20H00880
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Research Institution | 三重県立度会特別支援学校 |
Principal Investigator |
北村 京子 三重県立度会特別支援学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 重度・重複障がい児 / ワンタップ教材アプリ / 語彙力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、重度の知的障がいと肢体不自由が重複する児童(以下、「重度・重複障がい児」とする)を対象に、筋緊張に応じた語彙力を高めるためのワンタップ教材アプリの開発と教育実践を行った。対象児は2名で、筋ジストロフィー(福山型)のため指先なら操作できる児童、ジュベール症候群のため注視は難しいがタブレット端末なら提示されたものが理解しやすい児童である。対象児の習得状況に応じて出題をカスタマイズすることができ、子ども自身がワンタップの操作で学習できるワンタップ教材アプリ「どーれかな?」Ver.1を基にVer.3とVer.4を開発した。 Ver.3(仲間探し)の特徴は、①iPadで撮った写真を素材にすることができること、②2択から6択まで選択肢の数を変更できること、③選択肢をタップすると〇×の表示と音で瞬時に判定できることである。Ver.1との違いは、1つの答えだけでなく、複数の答えを自分で選択・決定できるようにして、共通概念を理解できるようにした。また、iPadのスイッチコントロール機能に対応できるようにし、自分でタップすることが難しい高緊張の児童にも学べるようにした。Ver.4(文字探し)の特徴は、①2文字から6文字まで文字数を変更できること、②ヒントとして正解の文字を薄く表示させ、習得状況に応じて表示をなくすことができること、③選択した文字を〇×の表示と音で瞬時に判定できることである。鉛筆をしっかり持つことができなくても、文字を並べて、言葉を習得することができるようにした。 次に、授業の中で活用し、その教材の有用性を検討した。その結果、①教材の素材を対象児の興味関心があるものにしたため、初回から意欲的に画面を触ることができた。②習得状況に応じて出題をカスタマイズすることができるため、集中力を持続することができた。③手指の力が弱い対象児でも自分で操作し、学習することができた。
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Remarks |
researchmap https://researchmap.jp/kitamura.kyo
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