2020 Fiscal Year Annual Research Report
オーラルヒストリーによる神岡ニュートリノ研究の記録・分析・公開
Project/Area Number |
20H00887
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武長 祐美子 東京大学, 宇宙線研究所, 広報担当特任専門職員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オーラルヒストリー / ニュートリノ / スーパーカミオカンデ |
Outline of Annual Research Achievements |
カミオカンデ、スーパーカミオカンデと続く日本のニュートリノ研究は、2002年の小柴昌俊氏、2015年の梶田隆章氏の2名のノーベル賞受賞につながった。本研究は、世界を牽引するニュートリノ研究にどのような人物が関わり、どのような経緯をたどって発展してきたかの歴史を、関係者へのインタビューによるオーラルヒストリーという手法によって集積し、当該分野ならではの強みについて分析することを目的としている。 今回の研究では、スーパーカミオカンデの建設、世界初の人工ニュートリノビーム実験であるK2K実験、そしてT2K実験、さらにハイパーカミオカンデ実験の実現へと長きに渡り神岡のニュートリノ実験を精力的に推進して来られた、中村健蔵先生のオーラルヒストリーの記録を行った。インタビューは2021年3月から5月にかけて、4回に渡り、各回約2時間かけてオンラインにて行われた。研究協力者である、一橋大学大学院言語社会研究科 准教授 有賀暢迪氏と武長がインタビュアーを務めた。有賀氏は科学史を専門とし、主に物理学・数理科学史を中心に研究をされているが、2017年頃よりカミオカンデの資料調査研究を行っている。インタビューの記録は外部業者により文字起こしされた文書に、中村氏本人が確認と裏付けとなる資料を注釈として加えた。今回は中村健蔵先生お一人のオーラルヒストリーを記録するだけに留まったが、今後はカミオカンデ実験に関わる数人の方のオーラルヒストリーを記録し、冊子として公表したいと考えている。
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