2020 Fiscal Year Annual Research Report
ドローンの追跡機能を利用したヒト身体運動解析システム
Project/Area Number |
20H00924
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
菊池 護 岩手大学, 理工学系技術部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | ドローン / 身体運動解析 / OpenPose |
Outline of Annual Research Achievements |
〇研究目的 近年,スポーツ競技者の競技成績は目覚ましい進歩を遂げているが,これは科学的根拠に基づいた運動解析,計測機器・手法の向上の寄与が極めて大きい.陸上トラック競技選手の全運動状態(スタートからゴールまで)の撮影には,複数のカメラでの撮影,カメラ用移動レールを用いた撮影が行われている.そのため,これらの撮影には高額な設備費や撮影編集技術を要する.一方,ドローンによる空撮は自由に空間を飛行できるため,運動に合わせた移動撮影に適していると考えられる.さらに市販されているドローンにも物体を追跡機能が標準で備わっているものがあり,だれでも自動で運動の様子を撮影することが出来る.そこで,本研究ではドローンの追跡機能による身体運動解析の可能性を検証することを目的とする. 〇研究方法 ドローンの追跡機能により,歩行および走行の基本的な身体運動を撮影し,関節角度変位の解析を試行した.使用したドローンは,DJI Phatom 4Pro V2,撮影場所は航空法対象外の区域で行った.さらに解析にはOpenPoseを用いており,歩行および走行の撮影動画から各関節の時系列2次元座標データを取得した. 〇研究成果 市販されているドローンの追跡機能により,歩行および走行を同じ画角かつ常に画面の中心付近に撮影対象者を捉えた動画を撮影することが出来た.ただし,走行のスタートおよびゴールでは速度変化量が大きいため,ドローンの追跡が間に合わず,画面の中心から外れることが分かった.またドローンの仕様により,撮影できる最小高さが2mであることを確認した.この最小高さは人の目線とほぼ変わらないため,動画撮影および解析への影響は無いと思われる.OpenPoseを用いた解析では,体の背後に隠れた関節以外は各関節の位置データを自動で取得することが出来た.よって,ドローンの追跡機能により運動解析ができることが明らかとなった.
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Remarks |
本研究の概要を岩手大学技術部報告第14巻に掲載する予定である
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