2020 Fiscal Year Annual Research Report
胚操作を必要としないゲノム編集技術GONAD法を用いた遺伝子改変モルモットの作製
Project/Area Number |
20H00982
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
青島 拓也 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 技術職員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | ゲノム編集 / GONAD法 / モルモット |
Outline of Annual Research Achievements |
近年開発されたゲノム編集技術「genome-editing via oviductal nucleic acids delivery(GONAD)法」は、卵管内の受精卵に直接ゲノム編集を施すため、胚操作を必要とせず、胚操作法や胚の培養法が確立されていない動物に対しても有効である。本研究では、このGONAD法を用いて、これまでに遺伝子改変動物が作製されていないモルモットのゲノム編集に挑んだ。 実験では、有色モルモット(Hos:Weiser-Maples)のチロシナーゼ遺伝子を、GONAD法を用いてノックアウトし、アルビノモルモットを作製することとした。10週齢のHos:Weiser-Maplesを購入し、交配適期に交配をかけた。交配の成立が確認された夕刻、麻酔下にて雌の腰部(両側)を約2cm切開し、さらに腎臓が見えるあたりの内膜を左右約1cm切開して卵巣・卵管・子宮を体外に露出させた。チロシナーゼ遺伝子に対するゲノム編集液を、ガラスキャピラリーを用いて卵管膨大部に注入し、卵管膨大部を挟み込むようにピンセット型電極をあて250mAの電流値でエレクトロポレーションを行った。左右の卵管膨大部を同様に行った後、卵巣・卵管・子宮を腹腔内に戻し、切開部を縫合した。その後、出産まで飼育し、出生児の毛色を確認した。また出生児の耳介組織を一部採取し、DNA抽出後、シークエンスにより、遺伝子配列を決定した。 実験の結果、本年度内の実験において、モルモットのチロシナーゼ遺伝子をノックアウトしアルビノモルモットを作製させることはできなかった。その一因として、モルモットはマウスやラットと異なり、卵管膨大部が不明瞭で、受精卵の局在が判別できなかったことが挙げられる。今後GONAD法を用いてモルモットをゲノム編集させるためには、卵管膨大部(受精卵)の場所を特定させることが最重要課題だと考えられた。
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