2020 Fiscal Year Annual Research Report
内臓脂肪組織に浸潤する各種炎症細胞が肥満症発症に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
20H01076
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中川 雄伸 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 技術専門員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 肥満症 / 内臓脂肪組織 / 炎症細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
[研究目的]肥満症(肥満者かつ肥満関連疾患を伴う症例)、肥満者(Body Mass Index:25以上)、非肥満者(同:25未満)の内臓脂肪組織(Visceral Adipose Tissue: VAT)を対象に、 VATに浸潤する各種炎症細胞の分布、炎症細胞や脂肪細胞から産生・分泌されるサイトカインについて肥満症との関連性を病理学的に解析することで、肥満症の予防・治療戦略として寄与する可能性を明らかにする。 [研究方法]病理解剖症例(肥満症群・肥満者群・非肥満者群の各10症例)の既存のパラフィン包埋ブロックから作製したVATの3μm切片を対象に、炎症促進に関わるマーカーとされるCD11c、CD8、Myeloperoxidase、TNF-α、好中球Elastase、炎症抑制に関わるマーカーとされるFoxP3、CD19、Siglec8、IL-4、IL-10、IL-33受容体、Adiponectinについて免疫染色を行い、肥満症群・肥満者群・非肥満者群における各マーカーの発現の違いについて解析した。 [研究成果]免疫染色の結果、今回用いた全てのマーカーについて肥満症群・肥満者群・非肥満者群間で有意差は見られなかった。本研究で解析した殆どの症例は炎症細胞の浸潤数がかなり少なかったために統計学的有意差はみられず、炎症の程度の差を比較検討することが不可能であった。病理解剖症例は死後経過時間・ホルマリン固定期間・脱脂の有無などの条件が症例により様々で染色性が良好で解析に適した症例収集が難しいため、詳細に解析するためには血中サイトカイン測定などの今後さらなる検討が必要と考えられた。
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