2020 Fiscal Year Annual Research Report
健側の目と同期して瞬きと眼球運動をするエピテーゼの開発
Project/Area Number |
20H01120
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
田中 清志 秋田大学, 医学部附属病院, 歯科技工士
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 瞬き駆動装置 / 瞬き検出装置 / 瞬くエピテーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的 現在、悪性腫瘍、先天性疾患、交通外傷などが原因で、顎顔面部に欠損が生じた場合,補綴物による修復法としてシリコンあるいはポリウレタン製のエピテーゼが用いられる。眼窩を含むエピテーゼでは、義眼が埋め込まれており、欠損部の補綴に加えて見た目の自然さを出している。現状では、健側の目と同期して瞼を瞬きさせる機能があるものは存在せず、対話者とのコミュニケーションにおいて不自然さがあり、患者の精神的な苦痛は改善されず、社会復帰を阻む要因になっている。本研究では、3Dプリンターを用いて健側の目と同期し瞬きするエピテーゼの製作を目的とした。 研究実施計画 (1) 瞬き駆動システムの試作及び改良 エピテーゼの瞼を違和感なく瞬きさせるためには、柔軟な素材で瞼を作る必要があり、その駆動装置も必要となる。このため、柔軟な瞼は、自然な動作を実現でき、さらに耐久性、生態適合性なども考えて医療シリコン素材で試作した。また、駆動システムは、小型な電磁力モーターと3Dプリンターを用いて試作した。(2) 瞬き検出装置の試作及び改良 このエピテーゼの裏側部分の3箇所に小型電極を配置し、健側の目が瞬きする際に動く眼輪筋の筋電位を検出するための装置の試作を行った。検出した信号は、瞼を瞬きさせる駆動信号となるため、顔面に装着した装置で筋電位を正確に検出することができた。(1)、(2)は、ともにバッテリーで駆動し、エピテーゼ内に収まる装置とし、使用する電気量を限りなく抑えた。本研究で試作する瞬き駆動システムは、エピテーゼに収まるような大きさでの装置としたため、ヒト型ロボットなどへも組み込みが可能であり、頭部は他の機能のために活用することができると考える。また、瞬き検出装置は、3つの電極を用いて筋電位を測定するものであり、瞬きの検出のみならず、高齢者や障害者の運動能力評価装置などへの転用も可能であることが解った。
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