2023 Fiscal Year Annual Research Report
高齢心不全患者に対する和温療法と運動療法のフレイル改善効果の検討
Project/Area Number |
20H01151
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
西川 佳織 獨協医科大学, その他部局等, 理学療法士
|
Project Period (FY) |
2023-06-09 – 2024-03-31
|
Keywords | 和温療法 / 心不全 / 運動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本で今後大幅に増加すると思われる高齢心不全患者はフレイル(身体・精神・社会的に脆弱な状態)を合併しやすく、自宅復帰が困難になりやすい。フレイルは高齢心不全患者の予後を規定するため、早期の治療が生活の質を向上させる。 フレイル治療の選択肢として運動療法が挙げられるが、虚弱な高齢心不全患者には高負荷の筋力トレーニングなどの積極的な運動介入が困難な場合が多い。近年、温熱刺激と運動療法との併用により筋量・筋量を増加させる報告がある。そこで本研究では心不全の治療法で、乾式サウナでの加温を行う和温療法と運動療法を併用した場合の筋量・筋力・骨格筋量の改善を検討した。この点が明らかとなれば、心不全の予後改善に加え、我が国の高齢者医療における入院期間の延長や慢性期病院への転院などの負の連鎖を断ち切ることにつながると考えられた。 和温療法・運動療法の併用群5名、通常の運動療法を行った群9名について筋肉量・握力・膝伸展筋力・総合的な身体機能評価であるSPPB、10m歩行速度を比較した。膝伸展筋力の体重比に関して併用群の方が改善傾向にあったが、統計学的な有意差は認められなかった。その他の項目についても統計学的な有意差は認められなかった。その理由として、被験者数が予定よりも少なかったこと、虚弱な高齢者が多く、運動負荷を十分にかけられなかったこと、介入期間が2週間と短かったことが挙げられる。今回膝伸展筋力の体重比においては改善傾向を認めたため、今後症例数、介入期間を増加させての検討が必要と考えられる。 本研究の内容をまとめて2023年11月19日に行われた第2回和温療法学会学術集会にて発表を行った。
|