2020 Fiscal Year Annual Research Report
加速器質量分析測定のためのヨウ素129標準試料の作製
Project/Area Number |
20H01173
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松村 万寿美 筑波大学, 研究基盤総合センター, 技術職員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 加速器質量分析 / ヨウ素129標準試料 / 同位体希釈 |
Outline of Annual Research Achievements |
加速器質量分析(AMS)測定のためのヨウ素129(I-129)標準試料作製を目的に、I-129同位体希釈の効率的な方法と値付けのためのAMS測定方法の検討を行った。AMS測定では、幅広い桁の同位体比の試料を測定する際に懸念される、高濃度試料からのイオン源内での汚染の結果として現れてくるメモリー効果とその除去についての検討、及び作製するI-129標準試料を規格化するための一次標準物質:NIST SRM 3230 Low LevelⅠ、ⅡのAgI沈殿作製(各約8㎎)・テスト測定を行った。その結果、4桁高い同位体比の試料を測定した場合のメモリー効果が殆ど無くなるためには、ダミー試料等を40分程度イオン源でセシウム照射を行うことが有効であると確認した。NIST SRM 3230のテスト測定は、2種類の一次標準物質の同位体比は理論値(4.920 ±0.062)×10^-10、(0.985 ±0.012)×10^-12に対して6回行って得られた平均値は、それぞれ(4.361±0.058)×10^-10、(0.909 ±0.065)×10^-12であり、 規格化してもLow LevelⅠが若干低めの結果となった。この研究結果はI-129の同位体比が大きく異なる試料のAMS測定において有意義な情報となった。 模擬実験で数mg台では問題にならなかったが、高い同位体濃度溶液(No.3231)を想定した数十g台のヨウ素結晶を溶解した際に亜硫酸イオン、硫酸イオンがその後の操作で問題となった。1施設1g程度のI-129AgIで10~20年間のAMS測定が可能だが、国内外のAMS研究のためには数十~数百g台の標準試料が求められる。I-129濃度の高い(1E-8、1E-6台)溶液からの効率的な同位体比希釈方法の確立と数十~数百g台の標準試料作製は、更に丁寧な研究が必要で、次年度後続研究にて検討を進める。
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Remarks |
執筆中(標題名:The Performance of Iodine-129 AMS measurements at the University of Tsukuba (FY 2020).)
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