2022 Fiscal Year Annual Research Report
危機と再生のヴィジョン:ドストエフスキー文学の世界性をめぐる超域的研究
Project/Area Number |
20H01253
|
Research Institution | Nagoya University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
亀山 郁夫 名古屋外国語大学, その他部局等, 学長 (00122359)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 史人 名古屋外国語大学, 世界教養学部, 准教授 (20772015)
甲斐 清高 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (50367835)
野谷 文昭 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 名誉教授 (60198637)
梅垣 昌子 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (60298635)
藤井 省三 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (70156818)
高橋 健一郎 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (80364206)
齋須 直人 名古屋外国語大学, 外国語学部, 講師 (80886292)
望月 哲男 中央学院大学, 現代教養学部, 教授 (90166330)
番場 俊 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (90303099)
越野 剛 慶應義塾大学, 文学部(日吉), 准教授 (90513242)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ドストエフスキー / 危機 / カタストロフィ / ウクライナ侵攻 / 終末論 / ロシア正教 / 幼児殺し / ボリス・ゴトゥノフ |
Outline of Annual Research Achievements |
「危機と再生のヴィジョン:ドストエフスキー文学の世界性をめぐる超域的研究」と題する本研究では、1)2022年8月と、2)2023年2月にわたって開かれた国際ドストエフスキーシンポジウム「カラマーゾフの母たち」、及び国際ドストエフスキーワークショップ「ドストエフスキーの人間論の原理」での個々の発表、討議、コメント等を最大の成果とする。2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻は、本研究テーマの現代性を図らずも裏付ける結果となり、亀山郁夫、望月哲男、越野剛、齋須直人らを中心に、その研究成果は、雑誌、新聞、ウェブ上にて発表された。1)の国際シンポジウムでは、国際ドストエフスキー学会長キャロル・アポロニオ氏を記念講演者として招き、『カラマーゾフの兄弟』における母性性の多様な発現をめぐる研究発表が行われた。研究代表者の亀山郁夫は「『カラマーゾフの兄弟』における隠された引用」と題する報告で、ドストエフスキーにおける「父殺し」の意味と問題意識の誕生を彼の伝記的事実と隠された引用の両面から掘り下げ、作家における精神の危機の問題に肉薄した。次に、2023年2月の国際ワークショップ「ドストエフスキーの人間論の原理」では、世界的を代表するウラジーミル・ザハーロフ氏を基調講演者とし、対論者を越野剛として、より包括的な視点から、今回のウクライナ戦争をも念頭におきつつドストエフスキー文学における人間存在の意味と作家の立ち位置について議論がなされた。また、望月哲男は、『死の家の記録』『白痴』を念頭において、ドストエフスキー文学における「許し」の主題を追究した。なお、亀山郁夫の論文「冷たくあれ、熱くあれ」は、歴史と文学に現れる「幼児殺し」の主題を介して、今回のウクライナ戦争における為政者の深層心理を分析するものである。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(14 results)