2022 Fiscal Year Annual Research Report
Propositional inferences driven by event semantics: Eye movements and EEG
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20H01263
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
中谷 健太郎 甲南大学, 文学部, 教授 (80388751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHANG Franklin 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (60827343)
矢野 雅貴 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (80794031)
小野 創 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (90510561)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心理言語学 / 事象意味論 / 語彙意味論 / 語用論 / 日本語 / 視線計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は実時間の文の理解において事象意味論がどのように推論に基づく予測を発動するかを,視線計測と脳波計測を通して検証し,文処理メカニズムにおけ る意味理解の適切なモデルを立てることを目標とする。従来の言語理論は統語論,意味論,語用論を問わず,多かれ少なかれフレーゲの構成性の原理を基盤とし たボトム・アップの理論となっているが,実験的手法の発達により言語の実時間処理の実態があきらかになるにつれ,ヒトはボトム・アップ処理を必ずしも行っ ておらず,予測処理を中心としたインクリメンタル処理を行なっていることが明らかになっている。ではボトム・アップ=構成的な言語理論と非ボトム・アップ= 予測的な実時間言語理解の接点はどこにあるのだろうか。本研究では特に,動詞から来る事象意味論が,どのように予測的推論を発動し,非明示的項がどのよう に選好解釈を受けるかに焦点を当てる。 2022年度は,日本語のクレル・アゲル表現、否定対極表現、オノマトペ表現にについての視線計測実験を行い、データを集積し、予備的な分析を行ったが本格的な分析はこれからである。また,ポツダム大学で行われる統計分析手法のワークショップに参加し,ベイズ統計学の知見をブラッシュアップした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度は新型コロナウイルス感染症爆発も鎮静化し、視線計測実験など、ヒトを対象にした実験を再開できた。新しいRAのトレーニングも行った。データの分析については、その方法論、特に数ある指標をどのように扱うかという知見を収集している最中である。脳波計測については分担者の大学で外壁工事を行っていた業者の過失により、実験室・シールドルームで漏水事故が発生し、脳波計・実験用のパソコンが故障し、使用できない状態になり、進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度のロードマップとしては,本研究計画で導入した視線計測器による実験を引き続き行うとともに、データの分析方法について情報収集し検証する。論文・学会等で成果を発表するとともに、当科研プロジェクトに基づいた国際ワークショップを海外から講演者を招聘して開催する。
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Research Products
(8 results)