2022 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamentals and developments for Chinese diplomatics based on an analysis of historical papers
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20H01298
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 浩之 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 講師 (70334224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小口 雅史 法政大学, 文学部, 教授 (00177198)
片山 章雄 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (10224453)
辻 正博 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (30211379)
矢野 正隆 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 助教 (80447375)
森脇 優紀 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 特任助教 (90733460)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中国古文書学 / 料紙分析 / 敦煌文献 / トゥルファン文書 / 群際接合 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は年度当初にオンラインによる研究集会を開催し、Covid-19により遅延している研究計画の練り直しを行った。2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が勃発したため当初計画にあったサンクトペテルブルクでの文書調査は中止し、また円高の影響が顕著になりつつあったため、海外調査そのものの時期や期間を見直すべく情報収集に努めることとし、当面は各自で調査・研究を進めることとした。 国内調査は研究代表者および研究協力者が名古屋市蓬左文庫の文書料紙調査を行った。海外調査に関しては2021年度の繰越事業として実施したため、この調査結果を受けて、秋以降にデータ分析に着手してたものの、研究代表者の不測の病気により、指を使う作業に支障が生じるようになった。このため予定していた貴重な文書を素手で触る国内外の文書調査ができなくなり、補助事業の完了時期の延長を申請して認められた。 代表者の回復後、2023年6月にフランス国立図書館にて敦煌文献の料紙について継続調査を実施し24件の文書を新たに調査をした。また、2023年12月には国立歴史民俗学博物館において、トゥルファン文書およびフランス所蔵の敦煌文献とほぼ同時代の日本古代の仏典や写本について料紙調査を実施した。 これら料紙調査は、繊維観察・分析班(光学・デジタル両顕微鏡により紙の繊維や填料などを観察し、透過光と反射光により撮影する)、形態・様式調査班(古文書学の様式論や形態論の観点から、テキスト内容、折り方・印・用墨・筆致などを中心に文書全体を観察し、全景写真を撮影する)、外形・形状調査班(文書の外形・形状を観察測定し、物理量の算出を行う)の3班に分けて効率的に実施した。 なお本研究の成果の一部を利用した論文である小島浩之「唐前半期の泛階と人事政策」(『東洋史研究』81-2)は、一般財団法人橋本循記念会より2023年度の蘆北賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度の後半から研究代表者に病気療養の必要が生じたため。 また、ロシアによるウクライナ侵攻の影響により当初予定していたロシア・サンクトペテルブルクでの文書調査が不可能になったこと、急激に円高が進行したことなどから、海外調査の規模そのものを縮小する必要が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
政治的にも経済的にも世界情勢が不安定なため、海外調査については、当該科研費プロジェクトにおいて、これまで確実な調査の積み上げがあるフランス国立図書館所蔵の敦煌文献に絞って調査を行うこととした。国内調査についてもフランス国立図書館所蔵文書を基準に比較する意味のあるものだけを精選して実施することとした。
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Remarks |
矢野正隆, 小島浩之, 大野美紀子「〈付録〉京都大学東南アジア地域研究研究所所蔵「景福寺資料」目録 」『東南アジア研究』60-1, pp.58-70, 2022
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Research Products
(7 results)