2022 Fiscal Year Annual Research Report
上海フランス租界を結節点とする日仏中三か国の文化交流史
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20H01302
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
榎本 泰子 中央大学, 文学部, 教授 (00282509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
趙 怡 関西学院大学, 経済学部, 教授 (10746481)
藤野 志織 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (40908844)
井口 淳子 大阪音楽大学, 音楽学部, 教授 (50298783)
森本 頼子 名古屋音楽大学, 音楽学部, 非常勤講師 (50773131)
野澤 丈二 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (90742966)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 上海 / フランス租界 / 日仏関係 / 比較文化 / 西洋音楽史 / 東アジア近代史 / ポストコロニアル研究 / グローバル文化史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は欧州におけるパンデミックの状況が改善に向かったため、11月に藤野志織が渡仏してシャルル・グロボワの遺族を訪問した。前年度に現地在住の日本人に協力を依頼して、グロボワの遺品等の一部を撮影してもらっていたが、科研メンバーが遺族に対面するのは初めてだった。研究趣旨の説明や、遺族も知らないグロボワの上海フランス租界での状況等を説明したほか、遺品の所蔵状況を確認させてもらい、追加で写真撮影を行なった。この成果は後述する論文集の内容に反映させることができた。また9月には野澤丈二が他の研究費を用いて渡仏した際、エクサンプロヴァンスにある国立海外文書館でグロボワ関連の史資料の調査を行なった。 2022年4月より上海において大規模なロックダウンが実施され、解除後も中国への入国は困難であったため、当初の研究期間中に中国国内の档案館(上海・北京・南京)等で資料調査を実施することは不可能な状況となった。そこで次年度まで研究期間を延長することにし、認められた。 すでに前年度の終わりに、計画を前倒ししてシンポジウムを開催したため、この成果を踏まえて研究期間内に論文集を刊行することにした。執筆者には科研メンバーのほか、これまでの研究会で研究報告を依頼した近接分野の専門家や、中国国内の専門家らを招き、上海フランス租界を多角的な視点から照射できるようにした。編集は榎本泰子、森本頼子、藤野志織の3名が担当し、年度内刊行という厳しいスケジュールにもかかわらず、2023年1月に論文集『上海フランス租界への招待 日仏中三か国の文化交流』(勉誠出版)を刊行することができた。日本国内では初となる上海フランス租界についての専著を刊行できたことは、本研究の大きな成果である。2023年7月には東京・日仏会館でラウンドテーブル「上海フランス租界への招待」を開催し、論文集の合評会を兼ねて本研究の成果を発信した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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