2022 Fiscal Year Annual Research Report
Promoting academic research and open science related to wood-block prints during the period of Meiji Restoration
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20H01319
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
藤實 久美子 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (90337907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箱石 大 東京大学, 史料編纂所, 教授 (60251477)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 太政官日誌 / 官版日誌 / 木版刊行物 / 維新政権期のメディア / フルテキスト化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、慶応4年(1868)正月に勃発した戊辰戦争を期に維新政府が刊行した『太政官日誌』をはじめとする木版刊行物(いわゆる官版日誌類)を対象に、政治史・村落史・書籍史料研究・メディア史の蓄積のもとに7名による共同研究に取り組む。本研究は実証的に学際的研究を深めることにより、当該期の政治・経済・文化の有機的関係性を立体的に描く。また官版日誌類のフルテキスト化横断検索を可能とするデータベースおよび研究論文をオープンアクセスによって進める。 上記の研究目的を達成するために3つの部門を立てて、研究を遂行した。 <現地調査部門>戊辰戦争の激戦地であった福島地域で現地合同調査を実施し、四国地域(徳島県・香川県)で現地個別調査をおこなった。その結果、東北諸藩には地理的な距離と自然条件での情報格差があること、一方、四国地域には京都版の大坂流通本(早期の『太政官日誌』)の伝搬を見いだした。<官版日誌類フルテキスト化横断検索プロジェクト部門>順調に進んだ。「官版日誌フルテキスト化作業マニュアル」に基づく、第3校の作成を進めた。また日誌フル Web サイトのデータへの日誌名タグ付け作業、最終データファイルを共同研究専用クラウド環境下に置く作業を行った。この作業過程で橋本博『維新日誌』の脱落箇所を確認している。また本プロジェクトは、写本の官版日誌類の現地調査において有効性を発揮している。号数の特定・本文変更の有無などを福島地域での調査で検証した。<研究共有部門>第3期科研専用のHP・戊辰戦争期木版刊行物研究会HPによって即時の情報発信に努めた。これらのWEBページの管理は専門知識を必要とすることから委託業務としている。研究会は対面・WEB開催を併用して3回おこなった。これにより研究の進捗をはかった。史料講読を目的とする勉強会も対面・WEB開催を併用して3回おこない、最終年度の成果発表に繋げた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査を積極的に実施し、現地調査報告書をすみやかに作成・公開し、また研究論文を作成する予定であったが、コロナ感染症のまん延によって研究活動の基礎となる現地調査の実施回数が減った。一方、フルテキスト化部門は順調に進んでいる。そのため、おおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染症の状況を見ながら現地調査を積極的におこなう。
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Research Products
(3 results)