2021 Fiscal Year Annual Research Report
Why did people form the state?: comparative micro and macro-scale combined studies between Japan, Britain and China
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20H01350
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
溝口 孝司 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (80264109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 正人 成城大学, 文芸学部, 教授 (00257205)
徳留 大輔 公益財団法人出光美術館, その他部局等, 学芸員 (10751307)
辻田 淳一郎 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (50372751)
田尻 義了 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (50457420)
舟橋 京子 (石川京子) 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (80617879)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会複雑化 / 国家形成 / ミクローマクロ架橋 / 比較考古学 / 社会考古学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトは、日本列島の弥生・古墳時代、中国の新石器時代後半期から商・周代、およびブリテン島南部の青銅器時代から鉄器時代における社会の複雑化と国家形成の過程を考古学によって解明することを目的とする。このような作業を通じ、個人の思考と行動が如何に構造化され、その原理が変容していったかというミクロな視点からの検討を行い、従来のマクロな視点からの分析に加えて、より多視覚的、重層的かつ総合的に社会の複雑化の過程を解明することを目指す。具体的には日本列島、ブリテン島、中国黄河流域の前国家社会の複合性の増大過程と国家形成のメカニズムのモデル化と相互比較を行い、「広域にわたる人間集団の秩序はなぜ可能となり/必然化し、なぜ揺らぐのか」という問いに答えることを通じて、このような目的を達成する。これまでに、日本列島弥生時代・古墳時代、中国新石器時代後半期から商・周代における社会の複雑性の増大過程を、集落システムにおける中心-周辺構造の生成と集落内構造・集落間関係の成層化の観点、葬送システムにおける埋葬施設・関連構築物、副葬品等の水平的・垂直的差異の拡大の観点から検討した。また、両地域・時期における祭祀システム、ブリテン島南部青銅器時代から青銅器時代における祭祀システムの変遷を、前者については動植物表象と人物表象の共存関係が形成する構造の変遷観点、後者については祭祀行為の指向性の変遷の観点から検討し、司祭者の析出過程とその社会的地位の変容プロセスについてモデル化した。現在、これら相互の時間的相関性を分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度のパイロット資料収集・調査成果にもとづいて選定された資料の本格的な分析・検討を昨年度に予定していたが、新型コロナ感染拡大のため計画の変更を余儀なくされ、海外踏査・資料調査は断念せざるをえなかった。しかし、二次資料(主に発掘調査報告書・文献資料)に基づく資料分析を進行させ、比較作業とモデル化作業を進めたので、全体としては、解明目標への接近は、モデル構築の点で順調に進展したといえる。これまでに、日本列島弥生時代・古墳時代、中国新石器時代後半期から商・周代における社会の複雑性の増大過程を、集落システムにおける中心-周辺構造の生成と集落内構造・集落間関係の成層化の観点、葬送システムにおける埋葬施設・関連構築物、副葬品等の水平的・垂直的差異の拡大の観点からモデル化しつつあり、両地域・時期、またブリテン島青銅器時代・鉄器時代における祭祀システムの変遷についてもモデル化を進めている。今後、物財・情報・人の交換、交流・流通システムの空間的拡大とメカニズムの変遷をネットワーク的観点からそれぞれの地域において分析、モデル化する作業に着手し、上に述べた諸分析結果と総合する、コロナ禍の収束を待ちつつ海外調査を実現し、加えて同時に二次資料の徹底的な検討を行いモデルの実証を行うことによって、「広域にわたる人間集団の秩序はなぜ可能となり/必然化し、なぜ揺らぐのか」という問いに答えることは十分に可能であろう。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、日本列島弥生時代・古墳時代、中国新石器時代後半期から商・周代、ブリテン島青銅器時代・鉄器時代の集落システム、埋葬システム、祭祀システムの変遷のモデル化を完成させるともに、これら諸地域における物財・情報・人の交換、交流・流通システムの空間的拡大とメカニズムの変遷のネットワーク的観点からのモデル化する作業に着手し、これらを統合することにより、「広域にわたる人間集団の秩序はなぜ可能となり/必然化し、なぜ揺らぐのか」という問いに実証的に答えることを目指す。この際、成果の検証のために、コロナ禍によりこれまで不十分であった実地踏査・資料収集においても必要資料を精選してピンポイントに海外資料調査を実行する。また、このような作業の進捗、並びに統合的成果の獲得のために、定例的に研究打ち合わせ・ミニワークショップを開催する。
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Research Products
(1 results)