2022 Fiscal Year Annual Research Report
Realization of the Micro Population Census by Deep Learning Using Satellite Images in Developing Countries
Project/Area Number |
20H01483
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
秋山 祐樹 東京都市大学, 建築都市デザイン学部, 准教授 (60600054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 浩之 東京大学, 空間情報科学研究センター, 客員研究員 (80764414)
小川 芳樹 東京大学, 空間情報科学研究センター, 講師 (70794296)
宮澤 聡 東京大学, 空間情報科学研究センター, 協力研究員 (70834274)
菅澤 翔之助 東京大学, 空間情報科学研究センター, 准教授 (50782380)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人口統計 / マイクロジオデータ / 開発途上国 / 深層学習 / 衛星画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度より実施している衛星画像を用いた建物の立体的抽出手法の開発を引き続き実施した.対象地域も昨年度から引き続き,既存統計や空間情報を使った教師データの取得や検証等が実施しやすい地域であることを考慮して,バンコク都市圏と東京大都市圏とした.昨年度までに衛星画像から建物を深層学習により自動的に抽出する方法がこれらの2都市で完成しつつあったが,今年度はさらにその精度向上に取り組んだ.また,昨年度は一昨年度に引き続き新型コロナウイルスの影響で、以上の成果の精度検証を行うためのバンコクにおける現地調査が実施できなかった.そこで,今年度はバンコク中心部のトンロー地区を中心に現地調査を実施し,建物抽出や用途推定の精度に影響を与える要因を把握することができた. また,以上の手法で得られた建物の空間的分布情報に対して,既存統計の人口を確率的に配分することで,建物単位の人口と所得の分布を推計するモデル構築の検討を行った.研究代表者らによる日本を対象としたこれまでの研究の手法をバンコクにも適用(外挿)することで,バンコク全域を対象とした建物単位の人口データのプロトタイプの整備を実施した.さらに,精度検証を行うための検証用データを収集,整備した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず,衛星画像を用いた建物の立体的抽出手法の開発を引き続き実施した.建物の自動抽出,用途推定,高さ推定の手法開発を引き続き実施し,それぞれの精度向上を行うことができた.また,バンコク中心部のトンロー地区を中心に現地調査を実施し,建物抽出や用途推定の精度に影響を与える要因(屋根の色や形状、建物周辺の植物繁茂の状況など)を把握することができた. また,以上の手法で得られた建物の空間的分布情報に対して,建物の面積・容積・用途などを重みにして,既存統計の人口を確率的に配分することで,建物単位の人口と所得の分布を推計するモデル構築も実現した.その結果,バンコク全域を対象とした建物単位の人口データのプロトタイプが完成した.なお,以上を検討する過程で,人口統計の最適な配分手法,具体的には複数の統計値や説明変数の条件を満足するパラメータ最適化や機械学習の活用の検討を実施することができた.さらに,精度検証を行うための検証用データを収集,整備した.具体的には現地の人口統計および,現地の大学が実施した現地調査データを取得するとともに,これらのデータを整理し,精度検証に利用できる形に整備することができた. 以上より,本研究はおおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
概ね順調に研究が進んでいるため、今後も当初の計画通りに研究を進めていく予定である。 具体的にはまず、バンコクで整備したマイクロ人口データの精度検証のための現地調査や、同データおよび今年度整備した検証用データを用いた精度検証、精度検証の結果に基づく課題の整理を行う。 また、人口分布や世帯構成は地域の所得水準が重要な説明変数となることが既存研究で明らかになっている。そこで、衛星画像から建物単位や建物周辺の地域単位で所得水準を推定する手法を開発する。所得水準に関する統計データを目的変数とし、衛星画像を深層学習で分類することで実現可能であると考えている。 さらに、建物や人口の分布変遷を入力値とした都市成長モデルを構築することで,新たな建物や人口の出現(都市化)や,人々の所得水準の決定要因を明らかにし,今後都市化する地域を推定する手法(モデル)の構築を検討する.
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Research Products
(14 results)